うるまカレー、それはうるま作品ファン垂涎のカレー。
「カレーを作ることと、写真を撮ることは同じ」
この旅のナビゲーター、写真家の竹沢うるまさんはよくこのように発言されています。
「カレーを作ることは、特に趣味のない自分にとって唯一の趣味」
なのだそうです。
そんなうるまさんが時折SNSにアップする自作のカレーはこちら。
超ウマそうじゃね?
そして美しい。
何かのごほうびに、あるいは一生に一度のお願いを聞いてもらえることになったなら、是非ともうるまカレーを食べてみたいものである。
そう切望していたのです、私はずっと。
その願いが叶う日がついに来たのであります。
今夜のディナーはなんと、みんなで作るうるまカレー。
うるまカレー&つけ合わせ小鉢の材料
この日に食したいずれかの料理に、この食材達が使用されています。
パウダー状の香辛料
- クミンパウダー
- コリアンダーシードパウダー
- アサフェティダ(ヒング)パウダー
- フェヌグリークシードパウダー
- パプリカパウダー
- ターメリックパウダー
- チリパウダー
その他香辛料
- タマリンド
- シナモンスティック
旨味のもと
- Maldives Fish Chips(スリランカの鰹節的食品)
- Chili Pieces(粗挽き乾燥唐辛子といったところか)
フレッシュハーブ
- シナモンリーフ(パさんツアーの時にゲット)
- パクチー
- その他フレッシュハーブ
炭水化物
- 米
タンパク質
- 鶏肉
- エビ
- 白身の魚(マヒマヒだったか?今回のディナーでは使わず)
- レンズ豆(オレンジ、多分)
野菜
- 玉ねぎ
- キャベツ
- トマト
- ズッキーニ(きゅうりか?)
- ナス
- にんにく
- しょうが
- ビーツ
その他食材
- レモンライムジュース
- アイランドオレンジ
- 塩
- 油
- マヌカハニー
米は現地調達かな?
ラロトンガ島のスーパーには米が並んでいました。
カレー用のお米はどうするんだろう、日本から担いでいくのかしら?(笑)と少し心配していたのですが、杞憂でした。
全てのスパイスの現地調達はできないようです。
日本の専門店での調達と思われる材料が多々ありました。
逆に日本では調達が難しそうなのが生鮮野菜系の食材。
例えばフレッシュシナモンリーフやビーツ。
シナモンリーフは自分で自宅栽培すれば入手可能かな?
でもビーツは日本ではあまり見かけない。
ビーツってなんなんだろ。
かぶのような、大根のような。
調べてみたら、栄養価高いんですね。可能性を秘めた野菜。
テレビの健康番組で取り上げたら一気にブレイクする可能性ありますな。
変わったところでMaldives Fish Chips。
前に「ためしてガッテン」で見たことあるけど、スリランカではまるで鰹節そっくりの食材が製造されているそうです。
それがこちらの「Maldives Fish Chips。」
あー、ちょこっとかじっとけば良かったな。
日本で作る時は鰹節で代用できるのではないかと思います。
怒涛のカレー作り
うるまカレーは…
そう簡単にはいただけません。
全員参加型カレーなんです。
食べる前に役割分担して、各自調理作業に就きます。
働かざるもの食うべからず…
総合カレーディレクター(うるま)の指示を聞いて、みな粛々と作業するのでありました。
調理ワークリスト
玉ねぎをスライスする。切る向き、仕上がりの大きさなど細かく指示あり。
キャベツをきざむ、にんにくをばらして、うす皮をむく。
トマトをダイス状にカット。
ビーツの皮をむいてスライス。
鶏ガラ、シナモンリーフ、玉ねぎ、しょうが、MALDIVES FISH CHIPSを水で煮て、だし汁をとる。
だし汁を濾した後のだし殻
だし汁
肉に下味をつけるためにヨーグルト、スパイスを揉み込む
フライパンに油いれて、スパイス投入。
玉ねぎを投入。
一緒に炒める。
塩投入。
(塩を入れることで、スパイスの香りがふわっと引き立つ。)
ダイストマト投入。
炒めながら煮る感じ。
肉投入。トマト玉ねぎを鍋の片側に寄せといて入れる感じですね。
肉を漬けていた汁は入れない。
だし汁投入。
肉、スパイス玉ねぎトマト群と混ぜながら、だし汁を入れる。
煮る。ここまでくれば早い。
カレー調理終了。
チキンカレーできました。
ビーツのポリヤル(炒めもの)の調理過程、多分。
最初になんかちょっと液体を投入しておいてから、主の具材を入れてました。
あ、そうそう、
「こっから先は僕がやります」
と、つけ合わせ野菜小鉢系は、全部うるまさんが作ってくれたのでありました。
我々は見守るだけ、待つだけ。
塩で味を整えて
終了、盛り付けへ。
このフレッシュなハーブの葉っぱを少しちぎって飾る。これ、香菜かな。
レンズ豆のカレー(多分)の調理過程、多分。
ヨーグルト野菜サラダの調理過程、多分。
器にヨーグルト入れて、塩入れて、酸味入れて、味見して、切った野菜投入。
ごはんはシナモンスティック、クローブ(他にも使ってるかも)などのスパイスと一緒に鍋で炊く。
手前、壁際の鍋でごはんを炊いてる。
炊きあがったごはんは黄色いので、他にも入れているでしょう。
ターメリックとクミンかな?
カレー調理時間
うるまカレーは着手から、完成までに約3時間弱かかりました。
だいたい午後6時頃に作り始めて、食べ始めたのが午後9時過ぎ。
待ちくたびれてます(笑
トレッキングからのカレー作りなので、じわじわと疲労していて最後の方は何が何だかもうよくわからない。(笑)
うるまカレー完成形
野菜料理も仕上がり、いよいよディナータイムです。
暗いけど、夜風に吹かれながらテラスで食べることにしました。
インドカレー豆知識
我々日本人がインドカレーと聞いてイメージする「ナン」は、北インドカレーです。
うるまさんが今回作ってくれたようなカレーは南インド系で、主食に米を用います。米を炊いたごはんを真ん中に盛り、周囲を主菜のカレーと副菜の野菜料理の小鉢で埋めたプレートを「ミールス」と呼びます。
これは南インドではポピュラーな定食スタイルです。南インド、スリランカのカレーは北インドのものよりサラサラしており、米と相性がいいです。
味付けもさっぱりしていて、日本人の味覚にも馴染みやすい。副菜の小鉢は季節の野菜を美味しくいただくためのもの。
旬の野菜を使うので、時期によって選ぶ野菜は変わります。
うるまカレーミールスお品書き
向かって右から
- スパイスライス(一番右のなべ)
- ヨーグルトと野菜のサラダ(奥、インドカレー名”ライタ”か)
- チキンカレー
- ダルカレー(オレンジレンズ豆のカレー)
- キャベツのポリヤル(炒めもの)
- ビーツのポリヤル(炒めもの)
- ピクルス(左から2番めの奥)
- ナスときゅうり(ズッキーニ)の炒めもの
実はこの品書き名は写真を元に、後にネット検索して推測したメニュー名です。
詳しい料理名はあの時、確認していませんでした。
何しろ作ることと撮ることと食べることに夢中でしたもんで…
南インドカレーに詳しい方、ツッコミ、補足、助言ございまいしたらぜひご連絡くださいー。
大皿から自分の分をプレートに盛り付ける
まずは、うるま先生がお手本を見せます。
盛り付けのポイントは丸く盛ったごはん。
丸さを演出するためにお椀によそったごはんをひっくり返す。
うん、この一手間が効果絶大。
順番に盛っていきます。
お手本の完成です。
くう〜。こういうの、インスタ映えするんじゃないですか⁉
お手本カレーを手に目線いただきました!
ボケてますが。(猛省。)
うるまカレー考察
うるまカレーは徹底的にこだわって作るハレの日のごちそうカレー。
手抜きモジュールを一切使わないカレーでした。
例えるならライブラリとかAPI(他の人が前に作ってくれた共有可能なプログラム)とか一切使わず、1からコードを打つプログラミング開発のようなもの。
作るための労力は大きいですが、仕上がった時の達成感は半端ない。
うるまお母さんてば、きっと、私らに最高の本物のカレーを食べさしてやろうと思って、ほうぼうから最高の食材を、用意して来てくれたんだと思うんです。
いろんなところで入手困難な材料を買い集めてきてくれてさ。
涙出ちゃうよー。
ごちそう、ごちそう様でした。
カレーを食べながら語ったこと、悟ったこと
トレッキング疲労、加えて数時間の調理労働およびウェイティングタイムによる疲労蓄積と空腹からの食事であったため、
一同、始めは無言で食に集中。
がつがつ空腹を満たした後の団らんのひととき。
みんなでいろんな話をしました。
話題が写真のことになり、カレーディレクターの顔から写真家の顔つきに変貌。
まとめ
ついに憧れのうるまカレーを食べた。
実はね。
うるまカレーに対面できる期待と興奮でアドレナリンが出すぎていたみたいです。
記憶に残っているのは、想像していたより優しい味わいだったこと。
私、うるまカレーを前に緊張していたようなの。
食事を楽しむには、リラックスしていることが大事です。
なのに、きんちょーしてしまった…
バカバカ、私のバカ!
いや、でもしょうがない。
がんばったよ、私。
味覚だけでなく、目から、香りから、手先から、カメラを使って、体と脳全体をフルに使ってうるまカレーを体感したことは確かです。
それはやっぱり達成感と幸福感でいっぱいの体験だったのです。
いずれ記憶と情報を整理して、自分でもうるまカレーをまねて南インド風のスパイスカレーを作ってみたいな。
レシピ本を検索してヒットしたのがこちら。
日本の食材集めて、挑戦しよう。