Godoxのクリップオンストロボ『V1』の使い方をまとめた『GodoxV1 “非公式”マニュアルその4』S1・S2モードです。
こんな方におすすめの記事です
- 初めてV1を使う方
- V1の使い方を1から知りたい方
- ストロボ自体が初心者の方
- ストロボのS1・S2ってなに?という人
初心者の方にも役立ていただけるよう「最大限わかりやすく」をモットーに書いています。
ぜひ活用してください。
GODOX V1『非公式マニュアル』の4回目では、マニュアルモードを選んだときに、さらに選べるS1、S2モードについてお伝えします。
公式の取扱説明書はこちらから参照できます。
- GodoxV1非公式マニュアル 第4回の内容
- ・S1モードとは
・S2モードとは
・S1・S2モードのメリット
・S1・S2モードをどう使うとよいか
GODOX V1非公式マニュアル記事をまとめて読みたい方は
からどうぞ シリーズ記事一覧
S1・S2モードとは
GODOX V1ストロボでマニュアルモードを選んだときに、さらに選べるS1、S2モード。このS1、S2が何を意味するのか解説します。
S1モードとS2モードとは、「他のストロボの光に反応して発光するモード」のこと。S1とS2の効果には少し違いがあります。
ということなんですが、ストロボ初心者の私には上記の説明は、ちょっと何を言っているかわかりませんでした!
で、めちゃくちゃ調べまくったら、やっと理解できたんですよね。そこで、せっかくなので、私と同じようにストロボ初心者で困っている方が読んでもサクッとわかるよう、渾身の力で解説します。
ちなみに、GODOX V1ストロボ以外のS1・S2モードに共通する内容もありますので、他のストロボ使いの方も、ぜひ参考にしてください。
ストロボ Godox V1で S1・S2モードにする方法
ストロボ Godox V1で S1・S2モードにする方法です。まず機能ボタン1でマニュアル(M)モードを選択します。

マニュアル(M)モードになった状態です。

マニュアル(M)モードになった状態で、S1/S2切り替えボタン(機能ボタン3)ボタンを1回押すとS1モードになります。

もう1回ボタンを押すとS2モードになります。

もう1回ボタンを押すとS1・S2モードが解除されます。

※こちらのストロボGodox V1 非公式マニュアル【その2】電源オンと操作ボタン解説 記事も参考になります。 あわせてお読みください。
S1とは
S1モードは、他のストロボが発する光に反応して発光するモードです。
ちなみに、GODOX V1公式取扱説明書で、S1モードは以下のように解説されています。
S1光制御ユニットの設定
M手動発光モードで、S1機能を使うことができます。
出典:GODOX V1取扱説明書
〜中略〜
これはメインフラッシュの1回目発光とシンクロに発光をトリガーでき、その効果はワイヤレストリガーの使用と一致します。
うーん、ちょっとよくわからない!
もうちょっとわかりやすく言いかえると、
GODOX V1のS1モードとは、
「他のストロボ(メインのストロボ)が光ったら、
即座にその1回目の光に反応して、GODOX V1も発光しますよ!」
というモードなんです。
公式取扱説明書で、なぜわざわざ「1回目の発光」と書いているかというと、2回発光するストロボ・モードがあるからです。
そして2回発光するストロボの、2回目の光に反応して欲しい場合もあるのです。その場合に、次で解説するS2モードを使います。
S2とは
S2モードも、他のストロボが発する光に反応して発光するモードです。S2モードは、メインのストロボが2回光る場合に、2回目の発光に反応して光ります。
GODOX V1公式取扱説明書では、S2モードは以下のように説明されています。
S2光制御ユニットの設定
M手動発光モードで、S2機能を使うことができます。
出典:GODOX V1取扱説明書
〜中略〜
TTL発光環境に適用します。1回予備発光機能を持ったカメラを使う時に光制御によってシンクロ撮影を実現できます。これはメインフラッシュの2回目発光とシンクロに発光をトリガーし、即ち、2回光制御トリガーを行うことができます。
この説明もよくわからない!
取扱説明書の言葉はよくわからないので、私なりの言葉で説明します。
要するにS2モードはメインストロボのTTLオート発光に反応して光ります。
TTLオートモードでは、ストロボは実は2回光る仕組みです。というのは、TTLオートにおいて、ストロボは測光のために1回小さくテスト発光(プリ発光、プレ発光とも言う)するからです。
テスト発光を測り、それにより適正な露出を決めて2回目の発光(本発光)をする。これがTTLオートです。
なので光に反応するストロボが、1回目のテスト発光に反応しては困るわけです。2回目の本発光に反応して欲しい。そのためにS2モードの発光があります。
ということで、S2モードは、メインストロボがTTLにより2回発光する場合に、2回目の本発光に反応して光るモードということです。
S1・S2モードのSとは
ところで、なぜ S1・S2モードというのでしょう?
実は、 S1・S2モードのSとは、スレイブ(スレーブともいう)のSです。
スレイブとは、slave。英語のslaveは、奴隷という意味。
ITや電子制御の分野では、制御する側をマスター(master)、制御される側をスレイブ(スレーブ、slave)と呼ぶのが一般的でした。
参考:
出典::IT基礎英語 – ITmedia NEWS
masterとslaveは、ハードウェアやソフトウェアの世界で、制御する側とされる側の役割分担を表す。制御する側がmaster、制御される側がslave。
だから、電子機器であるストロボの制御においても、伝統的なマスターとスレーブの用語が使われてきました。
ストロボをオフカメラで使う方式4種
ストロボをオフカメラで使う方式4種を解説します。参考情報なので、この段落は読み飛ばしてもらって大丈夫です。読み飛ばすなら、次のS1・S2モードの注意点へ行ってくださいねー。
ストロボをオフカメラで使う方式は4種類あります。
- ストロボをオフカメラで使う方式4種
- 1)有線で反応させる
2)無線通信で反応させる
3)光で反応させる
4)赤外線に反応させる
S1・S2モードは光反応方式です。光反応方式は4つのストロボオフカメラ方式の中で、一番手軽で、低コストに実践できる方式と言えます。(4種のオフカメラ方式について、詳しくは別記事で解説します。)
ストロボをオフカメラで使うメリットや実践方法については、別記事で超詳しく解説します。(ライティングの根幹に関わる超重要事項です。)
S1・S2モードのメリット
S1・S2モードのメリットを解説します。
S1・S2モードは、手持ちの機材で手軽にオフカメラストロボライティングを実践したいときに、便利です。
たとえば、以下2つの機材さえあれば、S1・S2モードを活用して、オフカメラストロボライティングができます。
- ストロボ内蔵カメラ
- GODOX V1
無線通信や有線コードを使ったオフカメラライティングでは、他に機材が必要になります。なので、ストロボ内蔵カメラとGODOX V1のみでオフカメラライティングが作れるのは手軽でありがたいです。
S1・S2モードの注意点とデメリット
S1・S2モードの注意点を解説します。
光が届かないと反応しない
S1・S2モードに設定して、光源となるメインのストロボを光らせたとしても、その光がS1・S2モード設定済みのGODOX V1に届かなければ光りません。
たとえば、メインの発光ストロボとGODOX V1との間に障害物があると、発光しない可能性は高いです。
意図せず発光して組み上げた光を壊してしまう
S1・S2モードでは光に反応して光るので、意図して使っていないと、予期せぬタイミングで光って計画的に組み上げたライティングをだいなしにしてしまう恐れがあります。
たとえば、複数名のカメラマンが参加する撮影会など。こうしたロケーションでは、特に注意する必要があります。
撮影会では、無線通信方式でストロボ撮影するのが一般的です。無線を使った送信機と受信機により、ストロボの発光源を組み合わせて、会場の光を作り上げるわけです。
そんな中にS1・S2に設定されたストロボがあると、メインのカメラが発光するタイミングで、S1・S2設定のストロボが発光してしまう可能性があります。
変な方向からの発光により、撮影者が作ろうとしていた光の組み合わせが壊れてしまいます。
これは迷惑ですね・・・
こうした撮影事故(?)を起こさないため、複数のカメラマンが参加する撮影会のような場面では、S1・S2モードにしない方がよいです。
結論:S1・S2モードの活用法
S1・S2モードの活用法と言いつつ、逆のことを言います、すみません。
S1・S2モードは基本的には使わなくてよいかと思います。有効性を発揮する場面がかなり少ないからです。
ストロボを使った撮影の機会を、頻度・割合でまとめると以下の通り。(私の場合です)
- 1.ストロボをオンカメラで単体で使うときはS1・S2モードを使わない
(ストロボ使用機会の50%くらい。個人の感想です。) - 2.無線通信を使ったオフカメラライティングするときはS1・S2モードを使わない
(ストロボ使用機会の45%くらい。個人の感想です。) - 3.手持ちの少ない機材でオフカメラライティングをやってみたいときにS1・S2モード有効
(ストロボ使用機会の5%くらい。個人の感想です。)
S1・S2モードが役に立つ場面は、3. のケースですが、これが起こる機会は、全撮影時間のだいたい5%くらいでしょうか。この特殊な状況においてはすごく役立つと思います。
ということで、基本的にS1・S2モードを使う場面は少ないです。
S1・S2の解説が長くなってすみませんでした。
本記事のふりかえり
S2モードとは
S1・S2モードのメリット
S1・S2モードのデメリット
S1・S2モードの活用法
公式の取扱説明書を見てもよくわからなかったら、本記事を参照してみてください。
またなにかご質問がありましたら遠慮なくお送りください。
次回のストロボGodoxV1非公式マニュアルは、GODOX V1操作パネルの調整つまみ(丸いぐるぐる)について解説します。
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