2018年8月末に南太平洋の孤島、クック諸島に旅行に行きました。旅行期間は約10日。
実は私、クック諸島どころか海外に行くのが久しぶり過ぎて、全ての準備や出来事が新鮮過ぎでした。
昔は空港から出る時になんかのお金を払った気がするけど、今はそういうのないのね…
とか。
飛行機の中で使う枕とか持ってるの?と心配されて、え、そういうの使うもんなの?
とか。
そんなレベルの、海外旅行に慣れていない人が見たクック諸島の旅行体験談をお伝えします。
国家としてのクック諸島ってどんな国?
クック諸島、どこにあるのか、どんなところなのか、知らない人もきっと多いはず。少なくとも私は知りませんでした。
厳密に言うと、国としてはなかなか微妙な立ち位置にあります。国連には加盟していません。日本はクック諸島のことを国家として認めているわけです。意外と柔軟ですね。経済的にメリットがあるからかもしれません。
理解を進めるために数字を出すと、国連に加盟している国は193カ国あります。これが世界全体にあるざっくりした国の数です。
このうち日本が国家として認めている国は、196カ国。国連加盟国との差、3カ国です。この3カ国の中にクック諸島が含まれています。
クック諸島側から見てみると、正式に外交関係を結んでいる国の数は46カ国です。
日本とは貿易面で活発な結びつきがあり、良好な関係を保っています。例えばマグロやノニが、クック諸島から日本に向けて輸出されています。これが前提となって国交があるのでしょう。
クック諸島はニュージーランドと自由連合という関係にあり、クックの人は自動的に全員ニュージーランド国籍を持っています。よって、政治的、社会的にニュージーランドとの結びつきが非常に強い。
依存していると言っていいかな。
人種、民族、言語的にも同じ起源なので、それは自然なことでもあります。
クックは小さな島が寄り集まった国家で、人口は約19,000人。
生産できるものには限りがあるため、物資のほとんどがニュージーランドからの輸入です。
クック諸島の文化はニュージーランドと同じくマオリ
クック諸島では、英語ができれば、言語面で不自由することはありません。しかし、クック諸島ならではの文化や慣習を理解したいなら、様々な場面で『マオリ語』が登場します。マオリ語の素養があると、よりクック諸島を楽しめるでしょう。
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マオリはニュージーランドの先住民族で、その起原は諸説ありますが、クックまたはタヒチが有力です。
マオリ文化がクックの日常
クックでは、マオリ文化は日常に自然に存在します。
小学校の授業では、マオリ民族のダンスや楽器を演奏するクラスがあります。私もツアーの中で小学校に訪問したのですが、子どもたちは客人である我々に、授業で習ったダンスや演奏を楽しそうに披露してくれました。
民族固有の文化というものは、子どもたちへの教育があってこそ、継承されていくものなんでしょうね。
私は「レスミルズ」というニュージーランド発祥のスポーツジムプログラムを長く楽しんで来たのですが、レスミルズ・プログラムの中にも、マオリのエッセンスやデザインモチーフが強めに取り入れられていました。
で、今回クックに行ってみて「あ、あのウェアの背中にくっついてた葉っぱみたいな模様はこれだったんだ!」と由来がわかりました。
例えば、このタオルにプリントされているロゴの中のシダの葉。ニュージーランドの国を象徴する植物ですが、クック諸島にもこれそっくりの葉っぱをあちこちで見かけました。
日常の中でありふれているものこと、国家のアイデンティティになるのだと改めて実感しました。
ありふれたものをリスペクトし、大切にしなくては。
クック諸島の場所や位置と行き方
クック諸島は、南半球にあります。日本から行く場合は一度ニュージーランドのオークランドまで飛行機で飛び、オークランドでクック諸島のラロトンガ空港行きに乗り換えます。
所要時間は東京-オークランドが約11時間、オークランド-ラロトンガが約4時間。プラストランジットの時間を見てください。トランジット時間は出発する曜日によって異なります。1時間程度で乗り継げるパターンと、オークランドで1泊する必要があるパターンがあります。日本ークック諸島の直行便はありません。
基準を「日本出発」ではなく、鳥になったつもりでクック諸島の上空からふかんで見てみましょう。
クックから少し西に行くとトンガ王国です。さらにもう少し西に行くとフィジー。
クックから少し東に行くとタヒです。さらに少し東に行くとイースター島。
うわあ、なんかちょっとびっくりしませんか?イースター島と言えば、どちらかというと南米寄りのイメージですよね?クック諸島は、ニュージーランドと南米をつなぐ海上ルートの要所である、ともとらえられますね。
クックから北に北に行くとハワイです。
へええ〜、そうなんだ!という感じです!島と島って海でつながっているんですね‥
距離的には経済的・政治的・社会的に結びつきの強いニュージーランドより、タヒチの方が近いです。
クック諸島へのフライトは、海外格安航空券購入サイトのskyticketが使いやすくてオススメです。
クック諸島に行くまでのフライトの様子
曜日により、オークランドでの乗り継ぎが数時間の日と、翌日になる日があります。
個人で旅の予定を組む時はその辺も考慮して計画立てた方が良さそうです。
我々のツアーは、木曜の18:30成田発、翌日の朝8:05にオークランド着という便でした。
で、9:30オークランド発の15:20にクック諸島ラロトンガ空港に到着します。
なんと乗り換えに1時間ちょっとしかない!
まあ、てきぱき行動すればちょうどいいくらい。
トイレに行って、水を買って、日本円からニュージーランドドルに両替するくらいで大体タイムアップ。
我々の乗り継ぎ便の場合、成田で預けた荷物を一旦オークランドで受け取る必要はなく、ラロトンガ空港で受け取れば良かったので、大変楽でした。
オークランド空港の免税店は早朝からオープンしています。
ニュージーランドのワインは美味しいので、もしお金に余裕があって、荷物が増えても構わないのであれば、ここでお酒を買って行くのはおすすめです。
日本で扱っていない、ここでしか買えないお酒があります。
種類によっては、水より酒の方が安いくらいです。
水が高いんですよね。
日本で暮らしていると、水の値段にビビるって富士山に行った時くらいですけど、クック〜ニュージーランドではお水は高くて、貴重でした。
あそうそう、ニュージーランド-クック諸島間は日付変更線を越えるので、クックに到着した時には1日前にもどっています。
木曜夜に日本を出て16〜17時間くらい経っているにも関わらず、同じ木曜の午後にクックに着くという状態です。
クック諸島への足、ニュージーランド航空体験
ニュージーランド航空は何となく良さそうだな〜と好意的なイメージを持っていましたが、それは裏切られませんでした。
私はエコノミークラスでしたけど、充分快適。
お金に余裕があれば、エコノミーに少々追加料金プラスして、「スカイカウチ」サービスを利用してみたい。
「スカイカウチ」を購入すると、シートを3列つなげて、フットレストを上げて、フルフラットな簡易ベッド状態を作ることができます。
横になって眠れるんです。
これはニュージーランド航空独自のユニークなサービス。
飛行機内でフルフラットにした場合どのくらい熟睡できるのか、一度試してみたい。
さて、ニュージーランド航空で素晴らしいのはワインの品揃えです。
赤も白もどっちも美味しい。
赤はピノ・ノワールともう一種類(メルローだったかな?)、白はシャドネーと確かソービニヨンブランの二種類がありました。
あんまり飲みすぎると脱水症状になりそうだったので、心を鬼にして2杯までに留めましたけどね..。
ほんとはもっとガブガブ飲みたかった。
機内食はメインより、ワタシ的にはパンと付け合せのバターが美味しゅうございました。
ニュージーランドは農業国で、酪農も盛んだから乳製品も美味しいのだと思います。
TPPってどうなったんだっけ?こんだけ美味しいバターが安価に入ってきたら、国内の酪農家には驚異だよね。
でも消費者としては食べたいよ..
座席の前にディスプレイが付いていて、タッチで操作できます。
このディスプレイを使い、NZ航空が用意した映画や音楽のライブラリーにアクセスし、自由に、自分のタイミングで見たり聞いたりできるようになっています。
いやー、ほんとフライト中退屈しないように、至れり尽くせりです。
自分のタイミングで好きな映画が見られるのは良いですね。
ちょっと見るのを休もうと思えば一時停止もできる。
映画のリストも豊富で、選ぶのに迷うほどでした。
最新とか、クラシックとか、カテゴリー自体がバリエーション多いし、その中のラインナップも多いんです。
インテリジェントでスマート!
テクノロジーの進歩ってすごいなー。
CAさんに用がある時もディスプレイに設けられた「クルーを呼ぶ」的なボタンを押せば、やって来てくれます。
特にみんなが頻繁に使いそうな「水をくれ」は「CAを呼ぶ」カテゴリーの中に独立したボタンがあって、英語が得意でなくても直球で欲求を伝えることができるのです。
使う人の身になった、よく考えられた設計だな〜と感心しました。
インテリジェントディスプレイにはUSB端子がついていて、スマホの充電もできます。
はー、この一連の説明を強烈に補足したであろう現場の写真を撮影していなくて、強く反省しております。
クック諸島の玄関口・ラロトンガ空港の様子
オークランドから、約4時間のフライトの後、クック諸島の玄関口、ラロトンガ空港に到着。
離陸して、朝食の機内食を食べて、ほっと一息ついている間に着陸する、くらいの時間の経過。
ラロトンガ空港はとってもこじんまりしたアットホームな空港です。
水洗トイレ完備で、到着した日以降もなんだかんだと空港はよく利用しました。
平屋なんですよね‥
2階も3階も、地下もないのです..。
日本でも離島の空港は、そんな感じなのかな?
行ったことないからわからないですが。
税関を抜けると、到着ロビーです。
あらー!
うるま様ではないですか。
なんと、写真家の竹沢うるまさんが我々ツアーの一行を到着ロビーで出迎えしてくれました。
いや、元々そういう趣旨のツアーではあるのですが。
なにしろ「写真家竹沢うるまと過ごすクック諸島〜南半球に浮かぶ楽園〜」というツアータイトルで参加者を募った手配旅行です。
そんなこともあるかもしれないな、と少し期待していました。
とは言え、空港出た途端にご本人が迎えに来てくれているというのは、なかなかの感激体験でした。
ありがたやー。
ラロトンガ空港でクック諸島用のSIMカード購入
事前の予想では、現地で写真を撮って、ちょいちょいSNSにアップしたり、ネットで調べ物したり、日本で過ごすとの同じように通信したいだろうよ、わたし、と想像していたんです。
なので通信用に、SIMフリースマホに入れるSIMカードを、空港にある通信会社のショップで調達しました。
クック諸島では通信系は「Bluesky」という会社の一社独占です。
このため値段はなかなか高いです。
ツーリスト向けには1ヶ月使えるVisitor SIMという商品が準備されています。
データ通信容量3GB、通話30分することができて49NZD。
NZDは日本円からの両替時のレートは82円くらいでしたので、4018円。
日本だと通話もできる格安SIMの3GBプランは1ヶ月1600円くらいだから、やっぱ高いよね。
この価格はある程度の期間継続利用が前提だから、完全にフラットな状態での比較ではないけど..
独占は受益者に負担を強いるんですな。
ツーリストといえども。
blueskyのショップはラロトンガ島のタウンエリアにもありますが、旅行者は空港にあるショップでの調達がおすすめです。
SIMカードの購入および端末へのカードの挿入、APN設定まで、ここのショップ内で済ませてしまうのが良いと思います。
ラロトンガ島に慣れていないと、自分の宿からタウンまでどのくらいなのか?どうやって行くのか?とかわからないことが一杯ですから。
最初から書いていくと結構長いですね。まだ空港から宿までも着いていないです。
その1はここまでとします。続きはその2で。
クック諸島でのお宿や、お宿のあるムリ・ビーチ付近の情報、仙人「パ」さんとの森歩きの模様といった、観光情報を中心にお届けします。
写真家竹沢うるまと過ごしたクック諸島滞在記(個人的な心情編)2018 08/23-08/31
クックで使えるスマートフォン情報。SIMフリーなスマホとしてクックで使うために購入したのは、こちらのHuawai P20 Lite SIMフリースマートフォンです。
クックにいる時、その機能を使いこなせていなかったんだけど、P20liteのカメラ機能はほんとヤバイです!私が常用しているiPhoneが古すぎるからなんだけど、Androidスマホのカメラ機能がこんなに素晴らしいとは!驚いちゃいました。
P20 Lite はHuawaiの最新機種だけど、フラッグシップモデルというわけではなく、どちらかというとエントリーモデル。
それなのに驚きの高画質の写真が撮れる!
普段一眼レフでマニュアル撮影している人間にもしっくり来る、シャッタースピードや露出やホワイトバランスをやりたいように変更できるモードを持っています。
あとセンサーサイズの大きいカメラで撮ったみたいな「ボケ」を作れる機能や、よく使う食べ物の撮影を手軽に見栄え良く撮影できる「ナイスフード」など、かゆいところに手が届くモードが満載。
スマホで写真を撮るなら絶対iPhone! と思っていたけど、Androidのモデルの中にも、素晴らしく使い勝手の良いカメラを搭載したスマホがあるんだなあ。
日本に帰ってきてからも、スマホ形カメラとして、カメラ機能を使うためだけに、出かける時は持ち歩いています。
クック諸島のガイドブックは数が少ないです。地球の歩き方のタヒチ・イースター島版に併せて情報掲載されていますが、毎年ではありません。2019年春に発売された地球の歩き方にはクック諸島情報は出ていません。
2019年秋以降に発売される南太平洋の島々ガイドブックに掲載予定だそうですので、その発売を待ちましょう!
地球の歩き方 タヒチ イースター島 クック諸島 2017~2018