レンズに沼があるように、カメラバッグにも沼がありました。
「レンズ沼」とはよりよいアウトプットを夢見て、次から次へと新しいレンズを買いに走る人の姿を沼に例えた表現ですが、カメラバッグの世界にも同様に、1つ手に入れるとまた次のバッグを物色し始めてしまう無限沼があるようなんです。
でもこれはある程度仕方のないことで、撮影シチュエーションは一種類ではないため、現場の状況に最適なバッグはその都度違って来るんですよねー。
カメラバッグの世界では大は小を兼ねないです。
どんな時にどのカメラバッグを使うのか?
私もカメラバッグは複数所有しているのですが、どんな時にどのカメラバッグを選んでいるのか、使用シチュエーション別に何回かに分けて記事にして行きたいと思います。
今回は保有する中で最もアウドドア仕様のカメラバッグ、Nikon×MILLETコラボのアイガーグレッチャー 33について、実際使ってどう感じたのか、購入後約1年での感想を Goodポイント、Badポイント交えて報告いたしますね。
Goodポイント1 カメラバッグだけど登山リュックの老舗MILLET(ミレー)の技術がふんだんに使われている
山岳写真を撮影するプロやアマチュア写真家は結構多いのに、カメラ収納も考慮したリュックを出している登山用リュックメーカーって意外と少ないんですよね。
私もアイガーグレッチャー33を購入する前に色々調べたのですが、その時はモンベルくらいしか見つかりませんでした。
購入後にノースフェイスとFoxfireからも良さげなリュックがリリースされているのを知りましたが、購入候補となる商品はそのくらいしかなくて、選択肢は豊富ではありません。
モンベルから出ているカメラ用リュックは売り場で試着してみたのですが、残念ながら私の体型にはしっくりフィットしませんでした。
山用のリュックはタウン用よりフィット感をシビアに見る必要がありますが、その点MILLET(ミレー)のリュックなら安心です。
多数の登山用のリュックのラインナップを持っているし、歴史も古く、使用している人も多い。
信頼できます。
そもそも私はアイガーグレッチャー 33を知る前に、ミレーのSaas Feeというモデルの購入を検討していたんです。
でもSaas Feeは登山目的のリュックなので、カメラを収納するためには別途インナーバッグのようなものが必要になります。
そこのプロセスが最初から省略できるっていうのは魅力でしたね。
腰ベルトと肩ベルトの幅、クッション、メッシュ仕様が良い
買う前にニコンのお店で展示品を試着してみたのですが、びっくりするくらいフィットして、楽で、しかも似合う(笑
この楽な感じが出せるのは、肩ベルトのクッション、腰ベルトのクッションがしっかりしていて、幅も広く、体に当たる部分がメッシュで、重量負担や蒸れが最小限になるよう工夫されているからなんですよね。
実際に荷物をがっつり入れて背負うと、やっぱりしっかりしたクッションと幅広のベルトのおかげで、重いことは重いですが、感じる苦しみ、痛みが少ないです。
フィットを細かく調節できる
腰のベルト、チェストベルト、肩ベルトの手前側と肩側の4箇所でフィットを調整できます。
簡素なタウン用リュックにはこれがないです。
フィットを調節できるというのは重要で、これがあるかないかで背負って歩く時の体への負担が全然違う。
重いものはなるべく体の中心に近い場所でまっすぐ地面に重さが伝わるようにした方がいいので、
フィットしているかどうかは負担の軽減に強く関係するところなんです。
さすがはミレー、調節機能はばっちりです。
背中の汗に耐えるための通気確保としっかりしたボーン搭載
背面にはメッシュとクッションが仕込まれていて、センター部分に隙間があり、背中とリュックの間の通気が確保されています。
長時間背負った時の背中の汗処理について、登山リュックのノウハウが活かされた感じです。
背面の両脇にもしっかりした柱のようなものが入っていて、背中や腰にかかる負担を分散してくれます。
背面にこうした支えがないリュックだと、いくら軽くてもたくさん荷物を詰め込んだ時にぐにゃっとなって、すごく背中が苦しくなってしまうんですよね。
こういう機構を盛り込むとリュック自体の重量は重くなってしまうのですが、中に重い物を詰めた時、軽くて簡素な作りのリュックでは支えきれず、人間の体の方で負荷を受け止めなくてはならなくなるんです。
軽いリュックが楽なわけではないんです。
重くてもしっかりした設計のリュックの方が楽に背負えるんです。
さすがは登山リュック歴史があるミレーなので、その辺りはお手の物なんだな、と感じます。
デザインがカッコイイ
メインカラーのアースグリーンと調和する少し濃い目のグリーン、ジッパー部分に付いた黄色紐がアクセントとなり、すごくセンスいいなーって感じるんです。
黄色紐は目立つので、素早く見つけられるのも良いです。
MILLETとNikonの白ロゴもいい感じに調和しています。
女性にも男性にも合う
色とデザインは女性でも男性でも使いやすいラインナップです。
私の身長は161cmですが、4箇所調節ポイントがあるおかげで、ぴったりとフィットします。
ニコン公式サイトでは男性社員の方がデモンストレーションしています。
女性にも男性にもフィットするということですね。
カメラが共通の趣味のご夫婦でしたら共有するのもいいのではないでしょうか。
Goodポイント2 一眼レフカメラの老舗Nikonの知見が盛りまれている
カメラ保護用のクッションボックス、取外し可能なクッション仕切りが予めセットされています。
ニコンユーザーが持ち歩きそうなカメラとレンズのサイズ、重さを考慮した上で仕切りとクッションの大きさや組み合わせを決定していると思うので、Nikonと同じような立ち位置のCanonのカメラとレンズを使っている私にはピッタリです。
Goodポイント3 クッションを全部はずせば普通に登山用
クッションと仕切りは全部とりはずせますし、真ん中の仕切りジッパーを開ければ大きな1気室のリュックになります。
こうするとより多くの荷物が入るようになり、普通の登山用のリュックとして使用することができます。
所有物を減らしたいミニマリストにもおすすめです。
実際にカメラ機材を収納した状態
このリュックのメイン収納部は上と下に別れた2気室構造です。
どちらの部分にもカメラ機材を収納するためのクッションと仕切りが仕込まれています。
仕切りはベルクロで固定する作りのため、取り外しが可能です。
自分の持っているカメラやレンズの大きさや長さに合せて収納をカスタマイズすることができます。
取り外し可能なカメラ保護のためのクッション材を全部外すと全体の収納スペースが5Lほど増えます。
というか、商品名となっている「33」は「33リットル」を表していて、これはカメラ保護用クッションをとりはずした時の容量なんですね。
カメラ用のクッションが付いた状態だと収納できる容量は28リットルまでになります。
クッション入れたり、仕切ったりすると5リットルも少なくなってしまうんですね。
三脚を収納
三脚収納スペースは両脇にあります。
これはスリックのカーボン724。
1.7kgあります。
使用中の三脚紹介
ところで私が使っている三脚はスリックの724EXという4段階に調節できる三脚です。
今は後継品が出ていて、ライトカーボンE74という名称の商品になっています。
対応する機材:ミラーレス一眼、APS-C一眼レフ+70-300mmF4-5.6クラスズームレンズ 最大搭載重量:4kg 重量1,775g
性能、価格、重量のバランスの取れた使いやすい三脚です。
一脚を収納
反対側に一脚を収納。
三脚と一脚両方持ち歩くことってあまり無いと思いますが、今日は実験のためやってみます。
でも片側だけに収納するとバランスが悪いので、バランスが保てるように両脇にはなるべく同じような重量のものを配置するようにした方がいいと思います。
上部スペースにレンズ3本収納
- 広角ズーム EF16-35mm F4L IS USM
- 望遠ズーム TAMRON SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A025
- マクロレンズ EF100mm F2.8Lマクロ IS USM
撮影に持ち出す確率の高い、ズームレンズを2本と単焦点マクロレンズ1本入れてみました。
するとこのような感じです。
上部スペースにはレンズを入れてもなお余る空間あり
レンズを3本縦に入れても上の方は結構余っています。
空間が余っているとレンズが揺れてあまり良くないので、この隙間に何か詰めて埋めた方がいいです。
ちょうど良いので雨具の上と下を入れます。
万が一気温が急降下した時に備えてダウンも入れてみます。
楽々入ります。
全部入りますね。
パソコンも収納
パソコン収納用クッションスペースがあるので、パソコンも入れてみます。
これはMac Book Airの11インチ。ちょうどよいです。
このスペースに入るノートPCのサイズは12インチがマックスと仕様に記載されています。
MacBook止まりということでしょうか。
ここで線を引いたのが個人的には少し不思議です。
15インチくらいのそれより大きいPCを運びたいときはこの部分に収めなければいいだけなので、臨機応変に使えば特に問題ないかと思います。
下部スペースに衣類を収納
その他のパーツの用途
下側にループになったベルトがついています。
まだ使ったことはないですが、ここにマットを取り付ける目的で使うようです。
レインカバー内蔵
撮影中に雨が降ってきても撮影やめないですよね。
雨には雨の魅力があるので、雨ならではの写真を撮りたくなりますから。
でも機材はなるべく濡らしたくはないので、レインカバーは必須。
アイガーグレッチャー 33は本体にレインカバー内蔵しているので、忘れる心配なしで安心です。
三脚収納スペースの下にレインカバー収納部あり。
三脚を付けたままでもレインカバーが取り出せる。
三脚と一脚を付けたままでも上からレインカバーを被せられる、余裕のサイズ。
レインカバー下部に調節用のコードがついていて、絞ればタイトにフィット、引けば緩まります。荷物の大きさに合わせて調節できる。
Badポイント 機能が多すぎて全てを使いこなせない(笑

嬉しい悲鳴というか..
私、アホなので収納が細かく別れているとどこに何を入れたかわからなくなっちゃうんですよね。
開けてみて、あ、違った、みたいな。
入れるところが1気室だけなら迷わないので、時間短縮になるんです。
まあ下に入れたものは上にあるものを全部出さないと到達しないというデメリットはありますが、一箇所突破すれば全部入っているという安心感が好きです。
好みの問題ですけどね。
あとは細かい収納を実現するためにパーツが増えて、重量が増えるというデメリットもあります。
ペンを一本入れるための細い仕切りは使わないからいらないよな..っていうのはあります。
アイガーグレッチャー 33が購入できるのはNikonのお店でだけ!
アイガーグレッチャー 33はNikonとミレーのコラボ商品なのですが、なんとミレー商品販売店での取扱がありません!
アイガーグレッチャー 33を購入できるのはニコンプラザ店舗かNikon公式サイトまたはNikon Direct楽天市場店のみなんです。
さらに値引きもないので、買うべきタイミングって特にありません。
欲しい時が買い時です。
ちなみに価格は29,700円 (税込)です。
くどいようですが値引きはありません!
色によっては在庫切れもあるようなので、買うならお早めがおすすめです。
特に私も購入したアースグリーンはやや在庫少なめみたい。
この色、本当にカッコよくて、いい色で、街で使うのにも違和感ないし、最高に気に入ってます。
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そんな風にお思いの方もいらっしゃるのでは?
ですよね。
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