2019年は稀に見る桜の当たり年でした。
桜が開花した後に気温が下がった状態が続いたため、開花が進みすぎず、その上雨も降らず、強い風も吹かず、ベストな状態の桜が長く楽しめました!
日本人が大好きな桜、日本人だからこそ感じるものがあるのかな?と思っていましたが、最近はわざわざ、桜のシーズンを狙って海外から訪日する方も多いんだとか。
桜の美しさを感じる感性は、決して日本人特有のものではなく、グローバルな感覚、人類自体に備わってる感覚であるようです。
とは言え、桜は1年に1回しか咲きません。
せっかくの美しい光景、肉眼で見るだけでなく、写真にも収めておきたいですよね。
「わあ〜キレイ!」と思って、カメラを向けてシャッターを押したところ、
「なーんか違う‥」
「目で見たほうがキレイ‥」
とがっかりしたことはありませんか?
私はあります。
桜の撮影は慣れていないと、イメージ通りに撮れず、残念な結果になることがよくあるんですよね‥
ただ、ちょっとしたコツを知っているだけで、桜写真は見違えるように良くなります。
その桜撮影のコツを全部公開しますので、ちょっとだけお時間ください!
決して損はさせません。
桜撮影のコツ1 明るくしてみよう
「なんかイマイチ‥」の原因で最も責任が重いのが、明るさの問題なんじゃないかと思います。
この写真は、画面下部の通称「だいこんの花」が美しく目立っていたため、桜の対比を撮ろうとしたものですが、明らかに暗い。暗すぎる。
桜は白っぽい被写体なので、カメラまかせにすると、カメラの特性上、人間の感覚では暗い写真になることが多いです。
撮影時に明るく露出補正して撮ることができなかったので、このような暗い写真になってしまいました。
それではこの暗い写真を、アプリで明るく加工してみたものを見てください。
これだけで、結構明るくて空気感のある、いい感じの写真になりましたね。
桜撮影のコツ2 余計な部分を入れないようにしよう
写真を撮る時に注目したのは桜、注目して欲しいのも桜なのに、桜以外の不必要なものが写っていると、見る人は違和感を感じます。
この写真の要素を分解してみると、桜がある部分と、空だけの部分に分けることができますが、画面の多くの部分をそれほどきれいでもない空が、不必要に占有している感じです。空が切り取られている形も中途半端で適当な感じ。
しかも、なにかの建物が背後に写り込んでいるのですが、この建物にも意味があるようには見えません。
不要な建物が写っている部分を削って、空の配分も桜と1対1、構図として対角線構図的な形になるように整えました。絵全体の収まりが良くなって見やすくなったのではないでしょうか。
この写真1枚で完成というよりは、加工することで生きそうな写真になりました。例えば、空の部分に文字を入れて広告やアイキャッチとして使うのに良さそうです。
桜撮影のコツ3 色の温度(ホワイトバランス)をいじってみよう
桜の花の色の印象は、人によってマチマチです。
桜の種類も多く、一口に桜と言っても、美しいとイメージする色味は何千通りもあると言えます。
撮影した時に「なんか違う〜」と感じたなら、それはカメラが表現した色味と、自分のイメージの間に差があるからかもしれません。
イメージの差を埋めるのに有効な手段が「色の温度を変える」こと。
カメラには、簡単に色味を変えられる「色温度(ホワイトバランス、またはWBとも言う)」を調整する機能がついています。
色温度(ホワイトバランス)を調整すると、写真全体を「赤っぽく」したり、「青っぽく」したりすることができるのです。
<色温度を「晴天」で夕方の桜を撮影した写真>
夕方の薄暗い感じが出た写真にはなっています。でも、写し込みたいなあと感じた、桜の神々しさとか、夕方に桜のある場所だけ発光しているように感じた、不思議さなどの感動が画面上で表現されていない感じです。
写真全体にピンク味がプラスされて、感じが変わりました。
写真全体にかなり青みがプラスされ、幻想的な雰囲気になりました。
色温度だけでなく、露出も明るくています。2つの項目の調整で大きく印象を変えることに成功しました。
このように、同じ場所で撮影した写真でも、色温度(ホワイトバランス)を変更することで随分と印象が変わるものなのです。
ホワイトバランスはカメラが持つ機能で変更する他、撮影後に編集で変更することもできます。
編集にはパソコン上で操作する「レタッチソフト」や、スマホに取り込んで利用する「レタッチアプリ」を使います。
パソコンでのレタッチには、カメラメーカーが無償提供する純正のレタッチソフトや、メーカーをまたいでの使用に適した有料のレタッチソフトを使います。
有料のレタッチソフトで有名なものはAdobe社の「lightroom」です。
月額980円〜と、手軽に利用できるので興味のある方は一度試してみるとよいですよ。私もlightroomを愛用しております。
Lightroomの使い方については、私はこの本「作品づくりが上達するRAW現像読本 〜Lightroom CC/6で写真編集力アップ!」「を参考にしました。
カメラを買うとメーカー純正のソフトも使えるようになります。キヤノンの場合は「DPP」という製品が付属します。カメラ内で作ったピクチャースタイルが全て正確に反映されるので、撮影時にカメラ内で作り込む人には最適なソフトです。
ところで上で加工した写真は、電線が写り込んでいて結構目障りですよね。こういう目障りなものは、Photoshopを使えば簡単に消すことができます。実際にPhotohopで消した写真が以下になります。
Photoshopを使っていらないものを消す方法は、以下の記事で解説しています。よかったらお読みください。
スマホでレタッチすることも可能です。スマホのレタッチアプリには、無料で利用できる優れた機能の製品がたくさんあります。
パソコン用ソフトでもご紹介したAdobe社がリリースする「PS Express 」も無料とは思えない、使いやすく豊富な機能が揃ったおすすめのスマホ用アプリです。
桜撮影のコツ5 半逆光で撮ってみよう
この写真は光の差し込み方が複雑ですが、斜め上からさしこむ半逆光の光が、桜の花に当たったり当たらなかったりしています。
桜の花まで届いた半逆光の太陽光は、花弁を透かして目に届き、とても美しい光景として、私の記憶にはインプットされました。
桜の花弁は光をよく通すので、逆光や半逆光で撮影すると非常にきれいです。
逆光で撮影する時の注意点は、「露出を上げて撮る(明るくして撮る)」こと。
逆光の時は、手前側に影ができますので、「明るくして撮る」ことを心がければ、失敗せず、お気に入りの写真が撮影できると思います。
桜撮影のコツ4 レタッチしてみよう
一眼レフやミラーレスカメラで撮影した写真をスマホに取り込み、レタッチすることでさらに楽しみが広がります。
もちろん、最初からスマホで撮影して、レタッチするのも大アリです。最近のスマホは本当に高画質な写真が撮れますからね!
私のおすすめのスマホ用レタッチアプリはいろいろあるのですが、今回は、先程もご紹介したPS Expressを再度、ご紹介します。
PS Expressはこの春、マイ使用頻度ナンバーワンのレタッチアプリです。
PS Expressで加工した写真の例

「コツ1 明るくしてみよう」で使用した作例写真を、PS Expressで加工したものです。
何だか雰囲気のある思わせぶりな写真に変貌しました。(自画自賛w)
このように、スマホのレタッチアプリを使用すると、手軽に、簡単に、無料で、自分の写真を作り変えることができます。
使わない手はないですよね。
桜は満開もきれいですが、散り際や、散った後にも余韻を残す、気持ちを掻き立てる花です。
雨でも風でも朝も夜も昼もどの時間帯でも、移り変わる美しい姿で我々人間を楽しませてくれます。
桜は、日本人の暮らしがあるところに共に存在する花なので、人が住むところに必ず植わっているんですね〜。
1年間、ひっそりとただの木のように佇んでいた桜が、1年に1回、このシーズンにだけ、うわーっと華やかな姿に変身するのを見るのが、私は好きです。
「お、お前、本当は桜だったのか‥!」
驚きとともに気付かされるのは、このシーズン、なかなかの快感。
ぜひ、カメラを持って、街や公園や住宅街やオフィス街で、美しい花の姿に変身した、何気ない路傍の木の美を発見しに出かけてみてください。
PS Expressの使い方についてまとめた記事もあります。興味のある方はぜひお読みください。