人物ポートレートで、人の顔や肌を明るく美しく撮影するときに欠かせないレフ板。レフ板は何のために使うのか、使うとどんな効果があるのか?を解説します。
レフ板は比較的安価に手に入り、使うことで写真のクオリティをワンランクアップする便利な道具です。広告や商品写真など、作り込む系の撮影ではストロボとともに必須のアイテムと言えます。
この記事ではレフ板の使い方を解説するとともに、身の回りのものをレフ板として活用する「何でもレフ板応用法」もお伝えします。ぜひ撮影の参考にしてください。
レフ板とは
写真を撮るとき、光と反対の側には、陰ができて暗くなります。この陰部分を明るくするために使うのがレフ板です。
レフ板のレフは反射という意味です。本来暗くなる側に光を反射する性質を持つレフ板を使うことで、光を反射させて被写体を明るく見せることができます。
レフ板とは、光を反射する色や材質を持っており、被写体に陰をつくらないように光をコントロールするための撮影補助アイテムのことです。
レフ板の効果とメリット
自然界では光と物体があれば、必ず陰ができます。
しかし、商品や人を写す時、正面側に陰ができて暗くなってしまうと、商品や人物がよく見えず、その魅力が伝わりません。
この写真的にマイナスな状況を、人為的に仕切り直して光を整備して完成度の高い写真に仕上げるためにレフ板を使います。
レフ板の色の種類
レフ板の役割は、光を反射することであるとともに、レフ板自身の色を被写体に写り込ませるというものです。
レフ板の色により、得られる効果が少しずつ変わりますのでご紹介します。
白レフの効果とメリット
白レフは、光を反射する効果とともに、白の色自体を被写体に写り込ませるという効果を持っています。
ふわっとしたやさしい、面で明るさを被写体に当てたい時に使うものです。
白レフが人物モデルの瞳に写りこめば、アイキャッチになります。
レフの形がそのまま、瞳の中のアイキャッチになりますので、丸いレフ板なら丸いアイキャッチ、四角いレフ板なら四角いアイキャッチとなります。
こだわる人はアイキャッチの形にもこだわるので、様々なレフ板が商品として存在しています。
銀レフの効果とメリット
銀レフは白レフよりも強めで硬めの光が反射されます。元の光の強さを見て、白にするか銀にするか決める感じです。
金レフの効果とメリット
金レフは、銀レフと近いです。銀レフがクールな反射になるのに比べ、金レフは温かみのある明るさになります。
黄色人種の日本人には金レフの方が向いているという説もあります。
確かに、銀レフを使うより金レフの方が顔色良く仕上がるため、健康的なイメージにするなら金の方が望ましいかもしれません。
黒レフの効果とメリット
黒レフは白・銀・金とは役割が違います。黒を被写体に写り込ませることによりシャドウ部を作ることが目的です。
シャドウを作ることにより、引き締め効果を出したり、光があたっている部分とのコントラストでメリハリを出したりといったことができます。
真ん中に穴あき形状の黒レフの場合はガラス越しの夜景撮影や、水族館などでガラス面へのの映り込みをなくしてクリアな画像を得るのに役立ちます。
レフ板のデメリットと失敗例
レフ板を使う位置と、画角とのバランスを考えないとレフ板が画面の中に写りこんでしまいます。被写体への近づきすぎ厳禁!です。
ただ離れすぎてしまうと効果がなくなるので、ほどよい距離感を掴むのがなかなか難しいと言えます。
また、自立しないレフ板は、撮影しながらの使用が難しいことがデメリットです。
自立タイプのレフ板であれば撮影者が一人の時でも使えますが、自立しないレフ板はアシスタントが持って、角度や位置を柔軟に変更させながら光を作ります。
撮影側が一人の場合はきめ細かくレフ板を動かすことは難しいです。風にも弱いので、屋外での使用には難あり‥です。
レフ板の使い方
光源と被写体を挟んで対照となる位置にレフ板を置きます。
光源に光が当たることで反対側に出来る陰を、レフ板でふわっと照らして明るくするイメージです。
自立レフ板の自作方法
レフ板が屏風型であれば自立します。A4〜A3程度の大きさの屏風型レフ板なら、100均の材料で自作可能です。
こちらの記事にレフ板の作り方をまとめていますので、興味がありましたらお読みください。
屏風型=折りたたみ型のレフ板ですが、二つ折りタイプの小型化には限界があります。
外出先、公園などで使うレフ板は、丸めて小さく収納できるタイプが使いやすいです。
このレフ板は白、銀、金、黒がセットでとても使いやすいコストパフォーマンスの良い商品でおすすめです。
全てをレフ板に!レフ板代わりに活用できるもの
実はレフ板専用品以外でも、光を増やす役目を果たして、レフ板の働きをしてくれるものがあります。
極端な話、白いもので、ターゲットとするシャドウポイントに光を跳ね返してくれるものならなんでも良いわけです。
レフ板として活用可能な目的がアイテムとしては、例えば、以下のようなものがあります。
スケッチブック
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スケッチブックの白い紙部分をレフ板として使います。リング閉じのスケッチブックは角度を作って自立させられるので、なかなか使い勝手のよいレフ板になってくれます。
鏡
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卓上ミラー
鏡も光を反射させるので、レフ板代わりに使えます。卓上ミラーは自立しますし、鏡の角度を細かく調整することができるものもありますので、繊細なレフ板ワークにぴったりです。
iPad
iPadもレフ板に使えるんです。
iPadに真っ白な画面を表示させれば、面で発行するレフ板として活用できます。
やり方は簡単です。真っ白な画像を保存しておいて、それを表示するだけ。
白い画像はこの辺のアプリで作成して保存しておけばOKです。
白いシャツ
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白シャツ
白いシャツもレフ板として使えます。シャツの白が瞳に写りこめば、アイキャッチ効果あり、です。
腕
なんと、腕もレフ板になります。
半袖や、ノースリーブを着用している時、むき出しになった腕を顔の近くに持っていけば、腕の肌がレフ板となって、反射した光が顔をほんのりと明るくしてくれます。
コピー用紙
コピー用紙
本当に他に何もないときも、コピー用紙くらいは手元にあるものではないでしょうか?
プリンター用のコピー用紙も、2つ折りして立てれば、スーパー簡易なレフ板として機能しちゃいます。
天ぷらガード
天ぷらガード
天ぷらガードもレフ板に使えるんですよ〜。
銀色の天ぷらガードは、光を反射して、レフ板に使えます。
白いタオル
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白タオル
白いタオルもあなどってはいけません。レフ板に使えます。
白いタオルをたたんで顔の下におけば、ほんのりと顔を明るくすることができます。
車用サンシェード
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車用サンシェード
銀色のタイプの車のフロントガラス用サンシェードも、レフ板効果を作れます。
意外といろいろ使えますね(笑
レフ板の本質を理解しておけば、撮影の際に近くにあるものをレフ板代わりに応用して、よりベストな状態を演出して撮影することが可能です。
レフ板を使いこなして光をコントロールし、ナイスなフォトライフを楽しんでください。
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