オリンパスの防水コンパクトデジタルカメラ Tough TG-5を購入してから約1年が経ちました。
日常的に使うことはあまりないのですが「よし、今日は水辺で水の表情を撮ろう」と思い立ったときにはとても頼もしいカメラです。
今回はTG-5の画質が気になっている方に向けて、作例の掲載と使用レビューを書きました。
購入するかしないか?参考にしていただければ嬉しいです。
TG-5後継機↓
2019年夏、TG-5の後継機、TG-6が発売となります。TG-5は流通在庫限りで終息となるでしょうから、購入を検討されている方は急いだほうがよいでしょう。TG-6となっても基本機能は大きく変わってはいません。
どのショップで買うかお悩み中でしたら、7/15、16のアマゾンプライムデーにAmazonで買うのがおすすめです。普段は買い物をしてもポイントがつかないAmazonで、最大10.5%のポイントが付きます。
アマゾンプライムデーについては、このサイトの説明がわかりやすく詳しいです。見逃しがちなポイントが付与されるための条件もわかりやすく書いてあって、とても親切。
防水コンデジ オリンパス TG-5による水中撮影作例
近くの小川に出かけて水中の写真を撮影したものをご紹介します。
下の写真の説明です。川の水面ぎりぎりに構えて水の流れ、水面の反射を写し止めました。
- 撮影モード:P
- 焦点距離:4.5mm(35mm換算25mm)
- S/S :1/500
- 絞り:f2.8
- ISO100ピクチャーモード:ViVid
- RAWデータでPC取り込み後Lightroomで調整:
Adobe風景、ハイライト下げ・白レベル下げ
下の写真も川の水面ぎりぎりで反射のキラキラを玉ボケにして、光と水の明るさ、爽やかさを表現。
- 撮影モード:水中ワイド1
- 焦点距離:4.5mm(35mm換算25mm)
- S/S :1/400秒
- 絞り:f2.8
- ホワイトバランス:5300k
- 仕上がり:Vivid
- ISO感度:100
下の写真は川の中にTG-5をつっこんで、水中の水草と青空の色が映り込んでいる川の水、光の反射を撮れたらいいなと考えて撮影したものです。
- 撮影モード:P
- 焦点距離:4.5mm(35mm換算25mm)
- S/S :1/320秒
- 絞り:f2.8
- ホワイトバランス:オート
- 仕上がり:Vivid
- ISO感度:100
- Lightroom調整:プロファイルAdobe風景
下の写真も水面ぎりぎり、水上からのショットです。
- 撮影モード:水中ワイド1
- 焦点距離:4.5mm(35mm換算25mm)
- S/S :1/250秒
- 絞り:f8.0仕上がり:Vivid
- ISO感度:100
- Lightroom調整:
プロファイルAdobe風景 露出補正:+1.20 ホワイトバランス:4889k
この下の写真は水上から、風景スナップ的にあじさいをポイントにカーブする静かな水面と周辺に生い茂る草を切り取りました。
- 撮影モード:P
- 焦点距離:12.6mm(35mm換算70mm)
- S/S :1/160秒
- 絞り:f5.6仕上がり:Vivid
- ISO感度:100
- Lightroom調整: プロファイル:Adobe風景 ハイライト:-73
下の写真はあまり光が差し込まないポイントでの水中撮影。モニターは見ずにだいたいの勘でカメラの向きを作っています。
- 撮影モード:水中ワイド1
- 焦点距離:4.5mm(35mm換算25mm)
- S/S :1/200秒
- 絞り:f2.8仕上がり:Vivid
- ISO感度:100
- Lightroom調整:
プロファイル:Adobe風景 露出補正:+0.45 ホワイトバランス:4358k
下も水中での撮影です。
- 撮影モード:P
- 焦点距離:4.5mm(35mm換算25mm)
- S/S :1/320秒
- 絞り:f2.8
- 仕上がり:Vivid
- ISO感度:100
- Lightroom調整:
プロファイルAdobe風景 露出補正:+1.20 ホワイトバランス:4889k
黒レベル:-30
TG-5後継機↓
防水コンデジ オリンパス TG-5による地上スナップ写真作例
水と関係のない、地上でのスナップ写真も掲載しますね。
下は、川から上がって、住宅街のブロック塀から勢いよく伸びた庭木の枝と影がつくる光景を切り取ったものです。植物の新緑や赤の色もキレイに発色しますし、コントラスト強めの影の描写も落ち着いてキレイに撮れました。
- 撮影モード:P
- 焦点距離: 13.5mm(35mm換算74mm)
- S/S :1/320秒
- 絞り:f5.6
- 仕上がり:Vivid
- ISO感度:100
- Lightroom調整:
プロファイルAdobe風景 露出補正:+1.20 ホワイトバランス:4889k
黒レベル:-30
下は日本ではなく南の島、ラロトンガ島で撮影したショットです。東京とは空気感が違います。空の色が非常に濃い。南国のソリッドな光を鮮明にとらえるのも上手なカメラです。
- 撮影モード:P
- 焦点距離:4.5mm(35mm換算25mm)
- S/S :1/320秒
- 絞り:f8.0
- ホワイトバランス:オート
- 仕上がり:Vivid
- ISO感度:100
- Lightroom調整:プロファイルAdobeVivid
もし、ラロトンガ島に興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、ぜひ私のクック諸島旅行記をお読みください。
下の写真はラロトンガ島の最高峰ニードルロック山頂から見える海の眺めを写したものです。
Lightroomで派手目に調整していますが、調整前のTG-5がとらえた景色も海は真っ青、緑も色濃くとはっきりくっきりした写真に撮れます。
- 撮影モード:A
- 焦点距離:4.5mm(35mm換算25mm)
- S/S :1/2000秒
- 絞り:f2.8
- ホワイトバランス:オート
- 仕上がり:Vivid
- ISO感度:100
- Lightroom調整:プロファイルAdobeVivid
下の写真はラロトンガ島の無人ビーチです。海水浴にぴったりの遠浅の砂浜が島のあちこちにあるので、このような岩がゴロゴロあるところにまでは人が遊びに来ないようでした。
でも、写真的には空、海、ゴロゴロ岩のコントラストがなんとも魅力的でたまりません。
このような場所こそ、TG-5の本領発揮です。
Lightroomで彩度アップ、コントラストアップ、かすみの除去を効かせてお化粧強めに仕上げました。
- 撮影モード:P
- 焦点距離:4.5mm(35mm換算25mm)
- S/S :1/200秒
- 絞り:f8.0
- ホワイトバランス:オート
- 仕上がり:Vivid
- ISO感度:100
- Lightroom調整:プロファイルAdobe風景 ハイライト:-100
白レベル-11黒レベル-25 コントラスト+32 かすみの除去+13
自然な彩度+21
下の写真ですが、スーパーマクロモードで撮影していましたw スーパーマクロ向きでない被写体をなぜに?設定を間違えている割には撮れっぷりはそれほど悪くありません。
逆光に透ける緑が美しいです。樹木の間に見えるのがラロトンガ島の最高峰ニードルロック山。
- 撮影モード:スーパーマクロ
- 焦点距離:5.5mm(35mm換算30mm)
- S/S :1/125秒
- 絞り:f3.2
- ホワイトバランス:オート
- ISO感度:100
- Lightroom調整:プロファイルAdobe風景 ハイライト:-51
以上、TG-5での撮影作例をご覧いただきました。
ブログで使用する目的でしたら、TG-5での撮影で、充分な画質の美しい絵が得られます。1200万画素のカメラですから、大きいサイズでの印刷にも充分に応えてくれます。
印刷する場合はA3サイズまで、余裕で美しいデータが得られます。充分なポテンシャルを持ったカメラです。
TG-5後継機↓
防水コンデジ オリンパスTG-5 実際に使用して感じたデメリット
水に強いとはいえ、コンパクトな小さいカメラであるTG-5にはデメリットもあります。私が購入後感じたTG-5の弱点をご紹介しましょう。
TG-5デメリット1 シャッタースピード優先モードがない
一眼レフやミラーレスカメラ、高級コンパクトデジタルカメラですと当たり前のようにシャッタースピード優先モードがついています。
なので私は勝手にT、G-5にもシャッタースピードを自分で選べるシャッタースピード優先モードがついている、と思いこんでいました。
でもついていませんでした。TG-5のマニュアル露出モードはP(プログラムオート)とA(絞り優先)のみです。
そうするとどんな不都合が起きるか?
下に貼り付けた失敗作例のような写真が撮れますw。
暗い室内だったため、対応するためにカメラ側の判断で自動的にシャッタースピードが遅くなり、激しいダンスの動きをしている被写体を撮影した時に、大きくブレました。この作例では被写体ブレの他に、手ブレも入っていますが。(座っていて、動いていない人もブレています)
いずれにしても、シャッタースピードを自分で速く設定できないので、動く被写体を止めて捉えることができないのです。またシャッタースピードが遅いと、手ブレもしやすくなります。
これは参りました。
ただ、対処法があります。SCN(シーンモード)を選択し、「動きの激しいものを撮る」を選べば1/500秒という、速いシャッタースピードで撮影することができるのです。
動くもの、速いものを撮る時は、シーンモードを活用するとよいでしょう。
TG-5デメリット2 絞り優先モードは3段階だけ
絞り優先モード(Aモード)で設定出来る数値が、f2.0、f2.8、f8.0の3段階しかありません。
ちなみにこれはレンズを広角にしている時の数値です。
望遠側にズームした時はf4.9、f6.3、f18の3段階となります。
「少ない‥」
と最初は思いましたが、徐々にこの3段階あれば充分なように感じられてきました。
TG-5デメリット3 ダイナミックレンジが狭い
コンパクトデジタルカメラに使われている小さな画像センサーを思えばいたしかたないのですが、極端に強い光、逆光、暗い場所は得意ではありません。
海辺の強い太陽光を画面に入れると白飛びします。繊細な階調表現もできません。
フルサイズの一眼レフカメラなどの画質を普段多く目にしている人ですと、画質の粗さが気になるかもしれません。
ただ、RAW形式でデータ保存できるため、パソコン上で大胆にハイライトやシャドウの修正をして挽回することができます。
TG-5デメリット4 天気が良いとモニターが超絶見づらい
撮影中の画像は背面のモニターで確認します。
しかしTG-5の背面モニターは、強い日差しのもとでは外光の方が明るくなるため、非常に見づらいです。背面モニターに写ったものは、ほぼ視認できないため、心の目で見てシャッターを押すことになります。
ファインダーがついていると、周囲が明るい状況下でも見やすいのですが、残念ながらTG-5にはファインダーがありません。
対処法は、下に紹介するような、遮光グッズを使用することです。遮光グッズ越しにモニターをのぞくと、見違えるほど見やすくなります。
TG-5デメリット5 モニターが固定式なのがつらい
今回、最初は川に踏み込まずに手元だけ水の近くや、水中に低く沈めてのスタイルで撮影していました。
このような状態ですと、固定式モニターで画像を確認するためには、結局自分の体も水に漬け、腹ばいのような状態になって、目線の位置を下げなくてはなりません。
着衣のままでは難しく、モニターで確認せずに仕上がりを予測してえいやでシャッターを切るという使い方になってしまいました。
こういった使い方で、少しずつ角度や向きを変えて複数枚撮影したうちのベストショットを採用したのが、今回作例で採り上げた作品です。
可動式モニターであれば、体は楽なのですが、防水力を高める機構上、きっと実現には多くの制約があるのだと思います。
私はショット数を増やすことでヒット率を上げる作戦で対応しました。
TG-5デメリット6 設定変更のメニュー階層が深い
設定を変えたい時「menu」ボタンでメニューに入って、目的の操作を探すのですが、項目の仕分けルールがメイン機で使っている他メーカーと異なるため、なかなか直感的にやりたいことにたどり着きません。
慣れれば速くなると思うのですが、使い始めはもたつきました。
と、感じていたところ‥
- 機材背面の「OK」ボタンを押す
- 背面モニターにISOやホワイトバランス、ピクチャーコントロールやAF・MF切り替え、記録画質などの重要で頻繁に設定変更したい項目が表示される
- 十字キーの上下ボタンと左右ボタンで項目の設定変更をする
→OKボタンを活用すれば、設定変更はそれほど面倒ではありません。
このあたりの操作上のリテラシーは、カメラーメーカーにより、また同一メーカー内でも機種シリーズごとに違っていたりするので、一定の機種の操作方法に精通していればいるほど、発想の切り替えが難しいかもしれません。(←言い訳w)
防水コンデジ オリンパスTG-5を使うメリット
いくつか難点もあったのですが、TG-5にはやはり、特定のシチュエーションにおいて発揮する唯一無二の強みがあります。
TG-5メリット1 高額なハウジングを使わずに水中写真が撮れる
画質にこだわる場合は、小さなセンサーのTG-5ではなく、大きなセンサーを持った一眼レフカメラを使うべきだと思います。
一眼レフカメラも、対応機材を揃えて装備を固めれば、深い水中で使うことができます。
しかし、装備を固めるためには、専用の「ハウジング」という防水機材が必要です。水中は光も少ないため、光を増やすために水中用のストロボ機材も用意せねばなりません。
これらは価格も高額で、重量も非常に重いです。本格的な水中撮影をするためには、体力も財力も覚悟も必要になってきます。
「そこまではやりきれない‥」
という人にも、比較的手に入りやすい価格で、安心して水中写真撮影の世界を体験させてくれるというのは、TG-5ならではの、大きな魅力です。
TG-5メリット2 RAWデータで保存できる
撮影後に調整レタッチをしても、画質が落ちていかないRAW形式で撮影データ保存ができるという面も、私は高く評価しているんです。
とっさの時に選んでいたホワイトバランスが意図したものと違っていた場合、写真になった画像が、記憶に残る光景より印象が薄い場合、後のレタッチで補正できると失敗写真だと思っていたものが救済できます。
RAWではなく一般的なJPG形式で保存していると、このレタッチ作業を繰り返した場合、どんどん画質が落ちていきます。
コンパクトな防水カメラの中で、データをRAW形式で保存できるのは、オリンパスのTG-5だけです。この点においても、防水カメラを選ぶのならTG-5がおすすめできます。
TG-5メリット3 撮影後にLightroomで本格的にレタッチできる
先に挙げた「RAWデータ」で撮影できることと関連するのですが、TG-5で撮影した画像を後で写真画像レタッチソフト「Lightroom」で本格的に画像レタッチできることもメリットです。
Lightroomはほとんど全てのメーカーのカメラ、レンズに対応しているので、いったん操作を覚えると、使用機材が変わっても同じスキルで使用することができます。
応用が効くというのはありがたいことです。
TG-5メリット4 軽くて頑丈
スマホに毛が生えた程度の約250gという軽量さは、やはり非常に助かります。比較対象を挙げてみると、大きな画面のiPhone X plusは重量202g。それほど差異がありません。
機材が軽ければ、体にかかる負担も軽く、広い範囲、よりハードな環境に分け入っても、少ないダメージでフットワーク軽く多くの体験ができるでしょう。
TG-5後継機↓
オリンパスTG-5(TG-6)がおすすめな人
TG-5のメリット、デメリットを見た上でTG-5がおすすめな人は、以下のような方となります。
- 水中や山中や工事現場など過酷なアウトドア環境で安心して撮影記録を残したい人
- できるだけ荷物を減らして行動したい人
- 本格的な水中写真の機材は揃えられないができる限りきれいな写真を撮りたい人
逆にどんな時にも最高級の写真画質を追求したい人にはあまりおすすめできないです。
とは言え、TG-5の画質は、1200万画素で記録することができます。1200万画素あれば、A3サイズ以下の印刷には支障がありません。(参考:オリンパス)
SNS投稿や、ブログに使用するのであれば、何の問題もない充分過ぎるほどの高画質の写真が撮れると言えます。
海や山に遊びに行った時に撮影した写真を「InstagramやTwitter、Facebookなどに投稿して楽しみたい」という方には最適なカメラがTG-5です。
防水コンデジオリンパスTG-5 おすすめ追加購入品
実際に、TG-5を使用してみて、このオプション品はあった方がより楽しめるし、必要だなと感じたアイテムをご紹介します。
ワイドコンバージョンレンズ
(2024/09/18 07:27:56時点 楽天市場調べ-詳細)
水中では、屈折率の作用で、地上よりも望遠気味に写ります。
センサーサイズも小さく、それもあって撮れる画角が狭めです。
「もう少し広い画角で撮りたいなあ〜」
と思い始めました。
ちょっと高いのですが、おこづかいに余裕がある方は、ワイドコンバージョンレンズもあわせて購入するとより楽しめると思います。
予備バッテリー
バッテリーは、最低でも2〜3個予備を持っていたほうがよいです。
純正を買える金銭的余裕をお持ちでしたら信頼性の面でも純正がベストです。
しかし、互換バッテリーでも、性能面で不都合はありません。非常に安価で入手しやすいので、試しに買ってみる感覚でお買い求めいただけます。私も愛用しています。
オリンパス純正バッテリー LI-92B
互換バッテリー
(2024/09/18 07:27:57時点 楽天市場調べ-詳細)
間違った向きに入れても壊れるわけではなく、そこは良いのです。
ですが、他メーカーの製品であれば向きが違っていれば、そもそもバッテリーを挿入することができず、すぐに間違いに気付けます。
その方が使いやすいよな〜、と未だにちょいちょい間違うたびに思います。
今回TG-5のGPS機能、動画機能はレポートしていません
GPS機能をオンにすると電池の消耗が激しいと聞きます。約1年保有しておりますが、GPS機能と動画撮影は未経験です。
後に使用した際にレビューを作成したいと思います。
TG-5と他社製防水コンパクトデジタルカメラの比較
リコー、ニコンなど、他社が販売している同一価格帯の防水機能付きコンパクトデジタルカメラと比較した記事です。ぜひ参考にお読みください。
まとめ
TG-5は、1台持っておくと楽しいカメラです。撮影スタイルの幅が広がります。
水の中にカメラをつっこんで撮影することは、従来の撮影行動とは全く違う刺激があります。
身体的に新鮮なだけでなく、新しい感覚の写真が撮れて、とても楽しい体験でした。
今回撮影したのは近所の整備された小川です。手元だけちょこっと川中に沈めて、モニターも見ず、だいたいの勘でおっかなびっくり撮影しました。
よく海に潜る方、池や川遊びをする方でしたら、きっと、より深くTG-5を満喫できると思います。
水中での写真撮影は快適です。ぜひ積極的に使ってみて欲しいと思います。
手軽に試用できるレンタルサービスもありますので、「いきなり買うのはちょっと‥」「買うほど頻繁に使わない」という方はぜひTG-5レンタルもご検討ください。
TG-5後継機↓