こんにちは、ちゃんまりです。
人物の背景がいまいちな時や背景の色を変えたい時に、AdobeのPhotoshopを使って人物を切り抜き、別の背景と合成する方法を解説します。
【使用シーン】
Youtubeのサムネイル画像やバナー画像作り、プロフィールやアイコン画像を好みの背景にしたい時に重宝すると思います。
この記事を読めば、画像から人を切り取って別の背景に合成する方法がバッチリわかります。最大限わかりやすく丁寧に解説しました。ぜひ、じっくり最後まで読んで、技を習得してください。
全体のプロセス解説
まず初めに、全体の作業プロセスを説明しておきます。
1.人物を範囲選択
2.人物以外にマスクをかける
3.背景を重ねる
4.背景と人物をなじませる
大きく分けると、この4プロセスになります。
このうち、なじませるプロセスにはさらに2つのプロセスがあります。
1.人物のシャドウをつける
2.人物にのみオーバーレイで背景の色をのせる
では説明に入ります。
人物を範囲選択
まずはじめに人物の部分を範囲選択します。
人物の範囲選択方法については、以下の『Photoshop 2020の使い方 | 人物の選択はクイック選択ツール+選択とマスクでOK』という記事で詳しく解説しているので、まずご覧ください。

選択範囲以外にマスクをかける
さて人物が選択できましたら、人物以外の部分にマスクをかけます。
「マスクをかける」とは、マスクをかけた部分を見えなくすることです。
マスクをかけた部分が見えなくなれば、かけていない部分を切り取ったのと同じ状態になります。
ではマスクのかけ方を解説します。
レイヤー画面下の日の丸みたいなアイコンの上にカーソルを持っていくと
「レイヤーマスクを追加」と表示されるかと思います。
クリックしてレイヤーマスクを追加してください。

こんな感じにレイヤーウインドウに、選択範囲以外が黒くなった窓が追加されます。
これがレイヤーマスクであり「マスクをかけた」状態となります。

背景を準備する
では次に、新たに合成する背景を準備しましょう。今回はお手軽に、背景を無地のカラーに変えてみます。写真が見る人に与えるイメージは背景の力が非常に大きいです。適当な画像が手元にない時は、背景の色を変えるだけでもガラッと印象が変わりますよ。
ベタ塗り色無地を準備する

円を半分で区切ったみたいな、↑このアイコンの上にカーソルを載せてください。
「塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成」と表示されます。
どんなレイヤーにするか選ぶウインドウが開くので、「べた塗り」をクリックしてベタ塗りつぶしレイヤーを選択します。

カラーピッカー(ベタ塗り)のウインドウが開きます。色を選んでOKします。

作ったベタ塗りレイヤーを人物写真の下の位置に配置してください。レイヤーを下にドラッグすれば下に移動します。
背景が、選んだベタ塗りカラーに置き換わりました。

できましたね。背景がピンクの無地に変わりました。
時間がない時はこれで完成です。お疲れさまでした。
ただ少し問題を挙げると、背景と主役がくっきり別れているため若干合成した感じが出てしまっています。
合成感を消し、馴染ませるために『手間をかけても構わない』という方向けには、もうワンステッププラスの手順をご紹介します。丁寧に仕上げたいなら次のステップも実行しましょう。
背景と主役をなじませ丁寧に仕上げる手順
ではひと手間プラスして、丁寧に仕上げる手順を解説します。プラスする手順は以下の2工程となります。
1.人物に影をつける
2.人物に背景の色を反映させる
では始めます。
人物の背後に影をつける(ベタ塗り背景の場合)
まずは影をつけます。
影の付け方は奥が深いです。光源の状態や、被写体と背景の位置関係により、できる影が変わります。ゼロから影を作るとなると、高度なテクニックが必要です。
今回は元の壁の写真があるので、その影を活用しましょう。
では解説します。
【影を作る手順】
- 写真レイヤーを複製
- 選択マスク範囲を反転
- 描画モードを変更
まず人物写真のレイヤーを複製します。
人物写真のレイヤーをドラッグして、+マークのところにドロップすれば、複製されます。

次に複製した人物写真のマスクアイコンをダブルクリック。

選択とマスクのウインドウが開きますので、反転を選択して人物側にマスクをかけます。
↓下記画像の状態は、人物側にマスクがかかっている状態です。
人物が赤いのは、表示モードを『オーバーレイ』『カラー』を赤にしているからです。
OKをクリックして、戻ります。

レイヤーウインドウにもどって見ると、人物側が黒になって背景が白になっています。人物にマスクがかかりました。

この状態で作業ウインドウを見ると、背景に元の壁が見えています。

描画モードと不透明度を調整して、ベタ塗りカラーを見せつつも元の壁にある影も反映するようにしましょう。
今回は元の壁色がオフホワイト色で、新背景はベタ塗りカラーのピンクです。描画モードをいくつか試して、透け具合/見え具合を検討し以下の組み合わせにしました。
描画モード:比較(暗)
不透明度:45%
塗り:37%
完成した画像です。

背景がピンクに戻り、元の壁に映っていた影がほんのり透けて見える状態となりました。
人物の表面に背景の色をのせる
さらにもうひと手間かけてみましょう。人物の表面に背景の色をのせます。
人物の表面に背景の色をのせるということは、人物に表面に背景の映り込みをつけるということです。少し背景の色を反映させることで、自然な仕上がりになります。
塗りレイヤーを複製し背景側をマスク
塗りレイヤーを複製して、レイヤーの一番上に配置します。

配置したベタ塗りを人物の形にマスクしたいんです。そこで一旦、既に存在しているマスクをべた塗りにコピーします。マスクをalt(option)を押しながらドラッグするとコピーできます。

べた塗りにマスクがかかりました。

今回は人物にだけ色をのせたいので選択範囲を反転します。
レイヤーマスクをダブルククリックして選択とマスクウインドウを表示し、選択範囲を反転します。

反転させたらOKしてください。
レイヤーウィンドウに戻ると選択範囲が反転しています。

画像は、人物の上にピンクが載ってこんな感じです。

このままではダメですね。描画モードを調整して見え方を整えます。
ベタ塗りを描画モード「オーバーレイ」で重ねる
ベタ塗りの描画モードをオーバーレイにして、不透明度を下げて14%にします。

背景は変化なく、人物にだけ背景の色がほんのり、のりました。

色が載ってない方はこちらです↓

よーく見ないとわからない微妙な違いですが、並べて比べると、色を載せた方が自然です。載せた色がピンクということもあり、血色もよくなっています。
「色がかぶり過ぎだな‥」と感じるようでしたら不透明度を下げればよいです。
やや手間が増えますが、この2つの操作をプラスすることで主役と背景が馴染み、自然な印象になりました。
まとめ
人物の背景を変更する方法を解説しました。あまり時間はかけられない!という場合は「なじませ」の工程は省いてもOKです。小さな画像でしたら、それでよいと思います。
全行程実践すれば、繊細で丁寧な仕上がりになります。大きく使う場合は手間をかけてあげればその分自然で美しい仕上がりになります。
ぜひやってみてくださいね。
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