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デザインを究めたアートスポット。小田原【江の浦測候所】体験レポート

江の浦測候所
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「江の浦測候所」、耳慣れない名称ですがご存知ですか?気象庁と関係ありそうですが関係ありません。
太陽や季節とは関係があります。

江の浦測候所をオススメする理由

江の浦測候所は、東京からほどよい距離でほどよい金額で大人が2時間楽しめる非日常空間なのです。

江の浦測候所とは

江の浦測候所入り口看板江の浦測候所入り口看板

江の浦測候所とは写真家の杉本博司氏による構想・設計指揮のもと、小田原の相模湾が見下ろせる江の浦という場所に建築されたアート施設です。
風光明媚な小田原市江の浦地区の景観と地形を活かした庭づくりと庭を引き立てるよう配置された建築群が呼応しあって全体を一つのアート作品として体験できるような場所になっています。

江の浦測候所を構想を手掛けた杉本博司って誰?

杉本博司氏は日本を代表する写真家であり現代美術家です。

私は杉本氏の作品についてそれほど詳しいわけではありません。

杉本氏の作品はオークションで8億円の値付けがされたこともあり、日本で最も作品が高く売れる写真家と呼ばれているようです。

高額な値がついたその作品が「海景」という様々な様態の水平線を完璧にシンメトリーに撮影した写真です。

U2のボノもこの作品のファンで、アルバムジャケットに採用しているらしいです。

この作品には海というものは人間が勝手になんとか洋とか、なんとか海とか名前をつけて区別しているけれど、結局海は海、海というものは結局は一つじゃないかという杉本氏のメッセージが込められています。

究極にシンプルなのに見ていて不思議に飽きない理由は、杉本氏が発見したその普遍性がこちらにも伝わってくるからなのかもしれません。

江の浦測候所100mギャラリー海景

海景シリーズは江の浦測候所でも100メートル続くガラス張りのギャラリーに大型サイズにプリント展示されていて、ゆっくりと鑑賞することができます。

海景シリーズ制作の元となったのは、杉本氏が幼いころに目にした相模の海のイメージだそうです。

相模の海から生まれた芸術作品を、その相模の海を見下ろすギャラリーの中でゆったりと鑑賞できるのはなんとも贅沢な体験だなあと思います。

しかもそのギャラリーを設計したのはその作品を生み出したご本人なのです。

作品をどのように見せたらもっとも映えるかということを一番わかっている方が作り出した場所で味わえるなんて、贅沢だなあと思います。

江の浦測候所の見どころ

江の浦測候所と人江の浦測候所と人

 

施設の全てが計算しつくされていて、どこを切り取っても整合性が取れています。

ここは施設全体が一つの芸術作品なんですよね。
杉本博司さんの渾身のデザイン芸術。

杉本さんのデザインを五感を活用して味わうことが江の浦測候所を楽しむ秘訣かなと思います。
この場所はどうしてこうなのかな?と考えながら見ていくと、多分全部意味があって、面白いです。

冬至光遥拝隊道

冬至光遥拝隊道冬至光遥拝隊道

 

隊道の入り口から覗いたら見える光景。
冬至の朝、この通路を通って、光が差し込むそうです。
とにかく荘厳だし、水平垂直を保って撮影するのが難しかった。

光井戸

光井戸光井戸

 

光井戸は隊道の途中にあります。
この井戸の中にはガラス片が敷き詰めてあって、雨が降ると雨粒の一滴一滴が井戸に降り注ぐ様子が見えるとのことです。
雨の日には雨の日なりの楽しみがあるんですね。
室町時代の様式だそうです。

隊道の果て

冬至光遥拝隊道の果冬至光遥拝隊道の果

 

ここから先は行っちゃダメ、の止め石が置かれています。
この明暗差、このシンプルさ、この存在自体の完成度。
写真の腕が試される…。

隊道の上は歩けるんです

上に上がるとこんな感じ

冬至光遥拝隊道の上に人冬至光遥拝隊道の上に人

 

隊道の上の止め石

冬至光遥拝隊道の上の止め石冬至光遥拝隊道の上の止め石

 

ここから先は行っちゃダメ。
コレ撮るの大変だった。匍匐前進するしかない。
こういう時、可動式モニターがあるカメラはいいですよね。

高低差がある地形で楽しい

隊道上から下の通路を見下ろすと仲間たちを発見。

ガラス舞台

光学硝子舞台光学硝子舞台

 

この上には乗ってはいけないんです。

ガラス舞台周り

ガラス舞台の向こうには相模湾。

光学硝子舞台越しに相模湾光学硝子舞台越しに相模湾

絶景すぎますね。

お庭の砂利

江の浦測候所庭の砂利江の浦測候所庭の砂利

 

毎日整えているのでしょう。枯山水の庭園を思わせる、完璧な畝。
ここは立入禁止です。

根府川 浮橋

根府川 浮橋根府川 浮橋

 

この石を並べて作った橋はなにやら特別な工法であるらしい。ちょっと浮いているのが特徴だそうです。

三里塚

三里塚三里塚

 

この上は上がっても良いです。
石舞台古墳を模したもの。

三里塚から野点席を見る

三里塚から野点席を臨む三里塚から野点席を臨む

 

少し見下ろす形になります。

野点のための焚き火台

野点の際はここで火を熾す

十三重塔

十三重塔十三重塔

 

鎌倉時代に実際のお寺の中に建てられた塔を移築したものです。

円形石舞台

円形石舞台円形石舞台

 

この丸い舞台にも、冬至の日の出の光が差し込みます。

鉄燈籠

鉄灯籠鉄灯籠

 

この灯籠は茶室の横にあります。桃山時代のものと推測されております。

明月門

明月門明月門

 

もともとは室町時代に鎌倉の明月院の正門として建てられたこの門はその後資産家の邸宅の門に転々と移築され、一時は原宿の根津美術館の門にもなっていましたが、美術館建て替えの際に江の浦測候所に寄贈されたそうです。
門がそんなに転々と引っ越しを繰り返すなんて驚きです。
多くの人に愛されている門なんですね。
門シェアー。

広角で撮りたくなる景観

江の浦測候所江の浦測候所

 

そんなに大きな敷地ではないですが、入場者を絞っているため、施設内にいい感じに人が散らばっていて、ゆったりした気持ちでいられます。

江の浦測候所江の浦測候所

 

こんなところまで、計算しつくされているんですね。

野点席からは海も見えます。

まだ菜の花が残っていて田園ぽい雰囲気。

江の浦測候所の菜の花江の浦測候所の菜の花

止め石かわいい

止め石止め石

 

この石に紐を結んだオブジェクトは止め石と言って、これが置かれているところより先には立ち入らないでください、という印の石なんです。

止め石止め石

 

「立入禁止」という文字を使わずにこのような暗喩でメッセージを伝えるなんて、粋!粋すぎる!

止め石止め石

ただの石も丸くてかわいい

近くの川の石らしいですが、完璧につるつるに丸くてかわいい。
人工的に加工したわけではなく、ただ川の水と流れに磨かれてこの形になりました。天然モノでここまでまるまるなのは珍しい。

江の浦測候所の感想

目抜き通りを歩かず、裏通りを歩く。道の真中を歩かず、端っこを通る。写真を撮ってもいつも水平がずれている。

こんな感じで、まっすぐのつもりなのに歪んでしまう私には、江の浦測候所は何だか眩しい場所でした。

江の浦測候所の魅力をまとめると…

江の浦測候所の魅力
  • 全部が計算され尽くされている
  • 神経が全てに行き届いている
  • スタッフも丁寧で物静か
  • 全てに意味がある
  • 全てが上質余計なものがない

なおかつ、現代の日本の資本主義的な社会のありようとは完全に決別した空間でした。

施設内に「文字」はほとんど存在しない
何も売ろうとしていない
優しいけど厳しい
向こうからぐいぐい迫ってこない
自分で感じる

茶道や華道の精神とか、わびさびの美意識とか、昔から日本人が大切にして来た美の表現を表面だけ真似して作ったようなものに触れると残念な気持ちになると同時に白けてしまうんだけど、この場所は何だか本物すぎて、戸惑ってしまう。

東京では、一歩外に出ればたちまち「金を遣え」というメッセージが大挙して群がってくるので、それらに襲われないようにガードを固めて生きている。

突然、そういうものから開放された世界に放たれて、どうしていいかわからない気分になってしまったのでした。

今回、杉本氏についても余りよく知らず、事前準備もせずにサクッと行ってしまいました。

それでも充分楽しかったのですが、帰ってから頂いた資料を読み返したり、ネットでいろいろ調べたりしていくうちにあの展示にはこんな意味があったのか、とわかってきました。

背景にある情報を事前に知った上で訪れていれば、もっと深く楽しめただろうなと少し後悔しています。

江の浦という場所は完全に東の海に面した崖の上にあるので、日の出を見るのにうってつけの場所なんですよね。

説明のための看板は徹底的に排されている

 

江の浦測候所では、日の出の光を捉えることをとても大事にしています

春分、秋分、夏至、冬至の日の出の光の道筋に完璧に合うように各建物が設計建築され、配置されているんです。

という情報を知ると、かつて神殿やピラミッドやマチュピチュの空中庭園を作った人たちもそういう感じのことを実現しようとしてあれらの壮大な施設を作ったのかな、と思いを馳せてみたりして。

今回は曇っている日に当たってしまったので、次にもし行くとしたら晴れた日に行ってみたいなあ。

でも事前予約制なので、天気は選べないんですよね。。

文字と金に溢れた世界から切り離されて、ひとときの非日常を味わえるこんな場所に、現代人はたまには行ってみるといいと思います。

別の視点からものごとを考えるきっかけになるのではないでしょうか。

江の浦測候所に行った方がいい人

アート好きな方、写真好きな方、美しいものが好きな方におすすめです。

この条件に当てはまるならデートにも良いし遠足にも良いし、一人で行ってもいいと思う。
でも誰かと一緒に行った場合、それぞれの価値観がちょっと試されるかも。

江の浦測候所の行き方

完全予約の入替制なので、ふらっと行って入ることはできません。
公式サイト内の予約ページから予約して、セブンイレブンで事前に発券した上で訪れる必要があります。

江の浦測候所予約方法

完全予約入替制なので、行きたいなーと思った方は公式サイトから予約してください。
見学時間は2時間です。

10時開始、13時開始、16時開始から選びます。冬の時期は最後の回はなし。
駐車場は無料ですけど、これも事前予約が必要。チケット予約の際に駐車場も一緒に申込します。

当日急に「来ちゃった」ということは許されません。
電車で来る場合は東海道線の根府川駅から無料送迎バスが出ます。バスを利用する場合もチケット購入時に同時申し込みが必要です。

4ヶ月前の1日から対象月の予約受付開始なので、絶対この日のこの時間!と決まっているなら開始と同時に申込どうぞ〜

予約URL:http://www.odawara-af.com/ja/enoura/ticket/

見学時の注意点

予約方法のところにも書きましたが、見学時間は2時間と決まっているので、それを頭に入れて回りましょう。

私の印象ですがそんなに急ぎ足で回らなくても全部回れます

なおかつ途中で休憩して、その後気になっていた場所にもう一回行って、みたいな感じで2時間は見学に必要十分な時間です。

施設内にレストランや食料品店はありません

また施設の近くにも食料品販売店はありません

江の浦測候所に一番近い駅は東海道線の根府川駅ですが、ここには飲料の自動販売機しかありません

駅から測候所までの道にもコンビニ等の売店はありません

電車で来るにしても、車で来るにしてももっと手前の段階で食料を調達しておく必要があります。

自宅からドリンクを持参するなら、こういった魔法瓶タイプの容器があるといいですね。
冷たいものも温かい飲み物も温度を保ったまま飲めます。

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あ、施設内に飲み物の販売だけはあります。

すごく奥ゆかしく表示してありました。

自宅からおにぎりとかサンドイッチとかバナナとか持って行くのもいいと思います。

寒い季節なら、スープやおでんをスープジャーに入れて持ってくのも良いかも。

また、江の浦測候所内で飲食できる場所は限定されています。

室内では飲食出来る場所はなくて、屋外の指定された場所でのみ飲食が可能です。

飲食可能場所については、入場してすぐにスタッフから説明があります。

実際行ってみると開放感があって、いかにもちょこっと腰掛けて食べたり飲んだりしたくなる場所が飲食指定場所になっています。

入場してすぐに見学についての説明を集団で受けるので、予約時間は厳守しましょう。

それと、中学生以上でないと入場できません。おチビさんは入れません。成長するまで待ちましょう。

常駐ではないらしいですが、この日はたまたまキッチンカーが来ていて、コーヒーが販売されていました。そういう日もあるようです。

江の浦測候所データ

  • 住所: 〒250-0025 神奈川県小田原市江之浦 362-1
  • el: 0465-42-9170(10時~16時/火曜日・水曜日、臨時休館日を除く)
  • email: info@odawara-af.com
  • アクセス: 電車の場合は東海道線の根府川駅が最寄り。駅からは徒歩45分、歩道が完備された道ではないので、歩くのは結構キツイと思います。電車の方は無料送迎バスを予約しましょう。車の場合は西湘バイパスの石橋ICから約6キロです。
  • 東京からの所要時間: 私は土曜の朝、8時少し前くらいに東名高速の用賀インターから乗って、9時過ぎには到着していました。渋滞を予測して早めに出たら意外と早く着いたという。
  • 駐車場: 無料、要予約
  • WebSite: http://www.odawara-af.com/ja/enoura/
  • 休館日: 火曜日・水曜日、年末年始および臨時休館日

江の浦測候所と合せて行きたい小田原のオススメスポット

せっかく小田原まで来たんだからもう少し小田原ならではの場所に行きたいよね、ということで、少し巡りました。

小田原漁港付近

お昼ごはんを海沿いのどこかで食べようと考えていたら、下り車線が激しい渋滞だったため方針転換して逆方向の漁港付近に向かいました。

ちょうど昼時だったので駐車場に車を入れるために少しだけ待ちました。

でもそんなに長い時間ではありません。

休日だったので心配していたのですが、問題ありませんでした。

最初、小田原漁港内の2Fにある小田原 魚市場食堂に行くことを考えていたのですが、昼時のため大混雑。

他を当たることにしました。

漁港から5分ほど歩いたところ、小田原さかなセンターというよさげな場所を見つけたのです。

小田原漁港近くのマーケット小田原さかなセンターの外観です

 

小田原さかなセンターもなかなかの雰囲気の良い場所です。

私が頂いたのはスペシャル海鮮丼。

スペシャルはイクラが入っています。

下は、特別サービスのホタテ焼き。


さらに1500円以上の注文で特別に500円で追加できるアワビ刺し

頼むしかないでしょ!

最高に日本酒が飲みたくなる組み合わせですが、運転担当であったため我慢。

Nico Cafe

魚を食べた後はコーヒー飲みたいよね、ということでカフェへ。

Nico Cafeは古民家をリノベーションした後カフェとして営業している雰囲気のいい場所です。

今回、12名と大勢で訪れたので2階に通してもらいました。

うーん、いつまででもだらだらしていられる、根が生えそうな居心地のいい空間。

おじいちゃんの家に行ったみたいな〜という感想を述べる者が何人か。

Nico Cafeの名物は唐揚げです。

今回、梅酢の唐揚げを初めて食べました。よくある醤油味の唐揚げとはひと味違う。

さっぱりしていて、唐揚げっぽくない。醤油味も絶品なのですが、私は梅酢唐揚げがより大大大好きになりました。
また食べたいなあー。

最近、江の浦測候所からのNicoCafeというルートの来訪者が多い、とお店の方がおっしゃっていました。

Nico Cafeを食べログで見る

まとめ

小田原は東京からは結構近くて気軽に行ける場所なのに、行ってみるとたちまち観光気分になれてこころからリラックスできる素敵な息抜き場所でした。

小田原市内もいいけど、少し湯河原方面に足を伸ばして見ると街なかとは一味違う世界が広がって、非日常感をたっぷり味わうことができます。

地元にしかない柑橘類も豊富で、食べてみるととても美味しいです。


この時期、ゴールデンオレンジという種類の柑橘が最盛期でした。

ゴールデンオレンジゴールデンオレンジ

 

ゆずと何かをかけあわせたものらしく、大きさと色はゆずそのもの。

ゴールデンオレンジは小田原さかなセンター内の売店で購入できます。

試しに買って帰ったら、我が家では大人気で2日でなくなってしまいました。

香りが良くて、酸味と甘味のバランスが絶妙。皮も固くなくて身と一緒に食べられます。

東京あたりには全く出回っていないんですよね。

小田原は東京、神奈川あたりに住んでいる方が半日〜1日時間が空いたらちょこっとがんばって行ってみると、リフレッシュできる素敵なリゾート地だと思います。

ABOUT ME
ちゃんまり
東京在住・国際ポートレート協会認定プロフェッショナルポートレートフォトグラファー ご相談ご依頼はお気軽にどうぞ。

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