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CP+2018 カメラとフォトの展示会備忘録

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もう1ヶ月くらい過ぎてしまったが、カメラ&フォトの展示会、CP+2018のセミナー見学記録残しておきます。
今年は3日通いました。
純粋に「おおっ…。」と息を飲む写真作品を見られたり、「そうなんだ!その情報超役に立ちました!」と感心するセミナーを受けられて、とても楽しかったです。

セミナーその1:写真家小澤太一

私の写真の師匠、小澤先生はソマリランドで撮影した写真を紹介。今時ソマリランドに行く時点で相当レアです。ソマリランド、外務省海外安全情報サイトでレベル4です。いつもながら他の人が選びそうにないところに敢えて出かけていくところが小澤先生らしいですけどね…

小澤太一ソマリランドの新聞に掲載された小澤先生

写真はさすがアフリカ、色が鮮やかでキレイ。

食料品店かな?果物その他もろもろ赤くて鮮やかできれい
スイカの緑にお兄さんの青いパンツがキレイ

小澤先生はシグマブースでもプレゼンがありまた。
シグマ本社のある神奈川県川崎市麻生区黒川にてシグマレンズで撮影した写真だそうです。

偶然、私も黒川で10年以上会社員生活していたのでだいたいわかりますが、黒川は写真を撮るにはかなり厳しい場所だと思います。
  さすがのストイックな小澤先生も結構苦しんだみたい…
  ソマリランドも過酷な場所だけど、黒川も違う意味で過酷。

  「黒川で使うレンズは望遠がおススメ」
「いい被写体がある時には広角レンズを使う」
 
との発言がありました。
…ですよね。

元々は農地がほとんどだったけど、この30年くらいで徐々に宅地化が進んだ都市近郊エリア。都市に住む日本人にとっては見慣れた景色すぎて、被写体を見つけるのは本当に難しい場所。

  コザワ師曰く、「自分の中でいい写真が撮れたレンズは自分にとってのいいレンズになる」
この言葉、強く実感。私も本当にそう思う。
世間の評価とか、評判とかは自分の満足にあんまり関係ない。
自分が好きだなーって思える写真が撮れると、その写真を生み出したレンズは自分にとっての神レンズになって、よく持ち歩くようになるんだなあ。

 

セミナーその2:写真家鹿野貴司

鹿野先生はシグマの標準ズーム24-70 F2.8と広角ズーム14-24 F2.8を使った作例を紹介。
鹿野貴司
私はそこら辺のキラキラしてないような街で鹿野先生が撮った写真を見るのが好きなので、期待通りの作品持って来てくれて満足。
立石は浅草よりさらにディープな昭和感いっぱいで撮りがいあるんじゃないかな?と私も一度行ったことあるけど、思うように被写体見つけられなかった…。鹿野先生は生活感漂う人間味溢れる場面を切り取っていてさすがです。

手前の煮込みと湯気がメインだけど、奥で立ち止まって覗いてるおじさんがこの写真のスパイス。暗い方から明るい方に向けて撮ってる。逆光。

このセミナーのテーマである24-70 F2.8というレンズは他社のTamron製だけど、同じスペックのレンズを私も持っています。なので、どういう場面のどういうタイミングで使うのかな?とすごく興味がありました。
なるほど、こう使うのか。と勉強になりました。

入り口のガラス戸の赤文字をぼかして、店の奥にピント。57mm。なるほど、こう使うといい感じ。

鹿野先生のワンポイントアドバイス。スローシャッター(0.6秒くらいでも)の時は、高速連写にしておくと、真ん中のコマはブレないんだって!へー!!良いこと聞いた!試してみよう。

写真に矢印と図解乗せてくれて、超絶わかりやすく光と構図の作り方を説明もしてくれました。

まずは光を見て


奥行きを配置して


アクセントになる場所に人が来るのを待ってシャッター。
うん、わかりやすいー。ためになる。

 

セミナーその3:写真家公文健太郎

公文健太郎さんもどんな写真を出すのかな?ととても興味があったので、一番前の列をゲット。キヤノンライトステージの巨大モニターは最前列だと見上げるアングルになって疲れる。
公文健太郎
でも前の人の頭のシルエットがモニターの下部を隠してる状態は私はあまり好きではないので我慢。
最前列の真ん中の席がとれれば首は疲れるけど、そっちを選ぶかな。
席に座らず座席のすぐ後ろで立ち見するのが巨大モニターの場合は一番見やすいのかもしれない。
来年はそっちも実験してみようかな。
モニターに写された公文さんの写真を撮影して、ストレージに取り込んで、自分のパソコンのLightroomのライブラリで見ると新たな発見があった。

一枚の写真の中に含まれる明暗の対比がすごく印象的でハッとする。

あれ、いつの間に私こんないい写真撮ったんだっけ?って錯覚する。

次の瞬間いやいや、これはCP+で撮って来た写真だよ、と我に返る。

いつも自分の写真を見ている同じ環境でプロの写真を眺めてみると、自分に足りないものがよく見えて来るんだってわかった。自分に足りてなかったけど、自分が魅力に感じるものが何なのか、こういう方法でも確認できるんだってわかった。

 

セミナーその4:写真家Goto Aki

GOTO先生、室内なのに何でカッパ着てるの?と思ったら、後で説明があった。
撮影の時に使用しているジャケットだった。
Goto Aki

GOTO先生のこの写真、最初に見た時、「グラスかな?テーブルウェアの写真って、風景写真家のGOTO先生にしては珍しいな」と本気で思った。

んなわけはなくて、これも自然の造形物。
水の中に小さな宇宙が見えたと言っていた。

小さい世界を極めて行くと、宇宙に似て来ると分子生物学者も言ってるし、この世界の法則ってそういうことなんだろうな。

GOTO先生の写真は風景を題材にしているけど、既視感がなくて、図形の組み合わせやテキスタイルを見ているようである。
ナショナルジオグラフィックにも載ってる不思議な作品。何なんだこれ?どこでどうやって撮ったんだ?と疑問がいっぱい。

どんな場所で撮ったか、GoogleMapを使って説明してくれる親切なGOTO先生。

普通に撮るとこんな場所。ほう。。。

三脚を使うことは少なく、7割ほどは三脚なしで撮っているというのでびっくり。

最近は水中からも狙うようになったとかで新規導入の水中撮影機材の紹介もあった。

水中撮影用の機材

GOTO先生の水中写真、どんななのか、見てみたい。新しいこと、どんどん始めてるんですね。

 

セミナーその5:写真家塙真一

塙真一さんのシグマでのセミナーは、テーマが24-70 F2.8ズームと14-24 F2.8ズームを使った旅スナップ。
同じ規格のレンズを持っているので、「わー私にぴったりのテーマ!」といそいろ出かけた。
塙真一
塙さん、交換レンズは「こういう何気無い袋に入れて持ち歩きます」とANAの買い物袋を見せてくれたけど…。
「軽いし、誰もこんなところにレンズが入っていると思わないから安全」と言っていたが。
なるほど、それはいいと感心したけど、私だったらレンズを入れてたことをすっかり忘れて雑に置いてレンズ壊しそうだな。
塙さんのセミナーで驚いたのは、セミナーのために直前に撮影に訪れた場所が千葉県の木更津だったということ。

木更津港まで行く途中の廃墟に見えるけど廃墟じゃない会社

何故ならば、私もそのほとんど同じタイミングで、たまたま木更津に撮影に行っていたから。
偶然!

この煙突的な物体が気になっちゃって。。だそうです。

結構同じような場所に撮影に行っていて、あー、あったあった、その建物。そうそう、その橋あったー、みたいな情報に一人ニヤニヤしてました。

木更津港にかかる橋木更津港にかかる橋。これは私が木更津で撮って来た写真。

私が選んだ同じ撮影地を、示し合わせたわけでもないのに、プロの写真家の人も選択していたというのがなんだか面白いし嬉しかった。
たまたま千葉行ったら、木更津港に行くのは写真を撮る人の行動としてはありなんだな!正解だった!イエイ!
塙さんは解像力の高いレンズでパッキパキに解像感のある写真を撮ると疲れちゃうので、あえてゆるく撮るそうです。わかる気がする。

 

セミナーその6:写真家中西敏貴

中西さんのセミナーは何本か聞きに行った。中でもキヤノンブースのモニターは巨大でキレイで、中西さんの写真はこういう広大な舞台が似合うね。
北海道の写真だからかな。

いい位置に来てくれた

完成形が頭にあって、情報と予測で仮説を立てて、素早く行動して狙い通りの光景に立ち会う。
偶然じゃないんだよね。
虹は完全に予測できるって言ってたな。
巨大なモニターに映し出された光、色、陰の中に、撮影した本人が溶け込んでいるという絵面が面白い。

サンピラー!

巨大スクリーン上のPR資料の前でヘッドセット付けた講演者がパワフルにプレゼンテーションする図ってアップルとかFBとかの発表会でよく見るけど、こういう芸術作品の前でのプレゼンテーションはあまり見かけないよね。だから面白い。
中西さんも常にスクリーン前にいたわけではないので、シャッター切るベストなタイミングを計るのが難しいけど楽しかった(笑

写真の中のハイライトがちょうど中西さんの顔に当たる位置まで歩いて来てくれ!と念を送って撮った。

中西さんの写真の撮り方は論理的で科学的。

 

セミナーその7:写真家ルーク・オザワ&長根広和

神のように写真上手な二人なんだけど、二人集まると笑いしかないというか。いや、一人ずつでも面白いけど。

ルーク・オザワ撮影の月とヒコーキ背景にしたルーク先生と長根先生。

たまたま、ルーク先生フロントの席に座れたので、ついついルーク先生をいっぱい撮ってしまった。カッコイイですね。

ルークオザワ先生撮影の飛行機に本人を被せる

この写真見ていて気づいたけど、ルーク先生、トータルコーディネートしてるの。
ミネラルウォーターのキャップの色、シャツのストライプの色、腕時計のベルトの色、全部ANAブルーなの!
すごい!プロだ!
いやー、ほんとコーディネートはこーでねーとのお手本。

ANAカラーの青でカラーコーディネート
もうすぐキヤノンギャラリーで個展!

このセミナーは対談形式なので、作家二人がずっとスクリーン前に座ってくれていたので、作品と作家をオーバーラップさせた写真を撮るのがすごく楽しかった。

 

セミナーその8:写真家竹沢うるま

うるま様のセミナーは今年は1回だけ。

竹沢うるま前日にアイスランドから帰ってきた。

キヤノンの6Dmk2のプロモーションサイトにアップしているインド、バングラあたりと、直前に訪れていたアイスランドの写真になるかな、と期待していたら、その通りのセレクトだった。

雨のインドか…

インドは雨をテーマに撮るって事前に決めていて、この市場で撮るっていうのも前日に目星をつけておいて、当日撮影したんだって。
「目に見えない光をとらえると写真が変わる」
以前にも言ってた、この言葉。
確かに雨のはずなのに、この写真からは光を感じる。
雨なのでISO感度は高めらしい。

雨のインドの市場

雨の日に光なんてあるのかな?
いや、一口に雨の日といってもどんより真っ暗な雨と、明るめの雨の日がある。
そういうことかな?
そもそも光が全くなかったら何にも見えやしないんだから、何かが見えてるってことは光があるってことだよね。
それを感じろってことかしら。

雨の線が浮かび上がって見える。S/S遅め、1/6〜1/15みたい

この市場、中央の部分に屋根がないという絶妙な建築ぽいので、使ってる人たちはめちゃくちゃ不便だけど、写真を撮るという視点で見るとものすごくいい光が入る最高な撮影スポットなのかも。

市場の空気感が伝わってくるいい写真だなあ。

超絶技巧が隠されてる市場写真。

この写真エロいよね。
萎れた花と濡れた果物ってエロい組み合わせ。
エロい写真珍しい。

エロい…

バングラデシュは人が多くて、活気がありすぎて、情報量が多すぎて写真がまとまらなくて難しいらしい。この写真好きなんだよね。印象派の絵画みたいに見える。

車上生活者たち。車と言っても自転車。

撮りたてのアイスランドの写真が実にカッコいい。

スケール感のあるアイスランドの海。よーく見ると鳥がいる。

「スケール感は望遠の方が出る」
確かにスケールの大きさを強く感じます。それは望遠効果なのね。

荒々しくてダイナミックなイメージが堪りません。

アイスランドこんななんだー

アイスランド行きたくなった。

いいねえ!カッコいい

この不時着したらしき朽ちた戦闘機、検索したらアイスランドでは結構有名な観光スポットらしい。ググるとツアー情報が出てくる。
みんなが行くからついてってみたらあったのがこれで、長い時間歩いてたどり着いたので一応撮った、的な言い方してたけど、私は結構好きだなあ。

航空写真!in アイスランド

荒れる冷たい厳しい冬の海。一連のアイスランド写真は本当に最高だわ。

この写真の鳥の配置も絶妙。
白っぽいところと黒いところの対比がお見事。
この写真すごい好き。
何千枚も撮ったのかな?

白いところと黒いところが絶妙。。

アイスランドと言えば有名な氷の洞窟、行かなかったのかな?と不思議だったが、崩落の危険で立ち入り禁止だったらしい。現地ではよくあることみたい。アイスランド、しょっちゅう行くようなところじゃないから行って入れないと悲しいよね。

拡大すると、馬の目に撮影しているうるま様が写り込んでいるのが見える写真

 

まとめ

今年は割と予定をガチガチに入れず、セミナーとセミナーの間は余裕を持つようにスケジュール組んだら体は楽だった。
でも後から見逃してることに気づいた耳寄りなセミナーもいくつか。
多少は仕方ないけどなるべく見逃したくないものです。
事前の情報収集は念入りに。
とは言え当日の予定変更もありではある。

ABOUT ME
ちゃんまり
東京在住・国際ポートレート協会認定プロフェッショナルポートレートフォトグラファー ご相談ご依頼はお気軽にどうぞ。

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