こんにちは、軽くて小さい単焦点レンズで撮影するのが大好きなちゃんまり(@sugar_mariko)です。
単焦点レンズを使ったことがありますか?
何を隠そう、私は一眼レフカメラを使うようになるまで、レンズに「単焦点」と「ズーム」の種類があることを知りませんでした。
いざ注文!という時に、レンズにはズームレンズと単焦点レンズがあるということを知り、「単焦点てどういうこと?めっちゃ不便じゃない?だいたいなんでそんな不便なレンズが売ってるの?なんでそんなレンズ買うの?」と疑問の嵐でした。
それから5年以上がたち、今では「なぜ単焦点レンズが存在するのか」「なぜ単焦点レンズが良いのか」語りたくてたまらなくなっています。
これから単焦点レンズのメリットとデメリットや、使いこなしや選び方のコツを解説します!ぜひじっくり最後まで、単焦点レンズの魅力をつかんでください。
単焦点レンズとは
単焦点レンズとは、ズームできないレンズのことです。ズームできないので、焦点距離は常に一定になります。
と言われてもナンノコッチャ?と思いますよね。単焦点レンズについて理解するには、対比になるズームレンズと比べるとよくわかります。
単焦点レンズとズームレンズの違い
焦点距離が動かないのが単焦点レンズですが、ズームレンズはズームリングを回すことによって焦点距離が変化します。ズームを望遠に回せば、遠くのものが引き寄せられて、大きく写ります。逆の広角側に回すと遠くのものは遠くに行って小さく写ります。でも単焦点レンズにはズームリングはありません。常に一定の焦点距離です。
単焦点レンズを使いこなすコツは、自分が動いて、被写体との距離を変動させることです。
近づいて距離を詰めれば、画面に入るのは狭い範囲となります。狭い範囲を切り取った中で、主役の被写体が印象的に存在していると、主観的な印象になります。
遠ざかって距離をとれば、画面に広い範囲が写り、客観的な印象にすることができます。
このように、自分が動くことで、切り取る範囲を広くしたり狭くしたりして、写真が持つ意味や与える印象をコントロールできるのです。
こうした技術を身につけるのに単焦点レンズはうってつけの道具といえます。なぜなら、自分が動かないと写真に変化をつけることができないから。「どうにか変化をつけよう‥!」と自分の頭で考えると、自然と動くようになって、技術が向上していきます。
単焦点レンズのメリット
「写真の印象をコントロールする」訓練にちょうどよい単焦点レンズですが、他にもメリットがあります。
メリット1 画質が良い
単焦点レンズは、同価格帯のズームレンズと比較すると、格段に画質が良いです。ズームレンズは、1本のレンズで複数の焦点距離を実現しなくてはなりません。ズーム機能を実現するがゆえに、どうしても無理がかかったり、あきらめざるを得ないことが出てきます。
単焦点レンズはズームレンズと比べると機構をシンプルにできるので、良い画質を実現しやすいのです。
メリット2 手頃な価格で入手可能
単焦点レンズは機構をシンプルにできる分、安く作ることができます。
↓このキヤノンの50mmの単焦点レンズなんて、本当に激安です。
メリット3 単焦点レンズは撮影の基本が身につきやすい
単焦点レンズは、写真撮影の基本を身につけやすいレンズと言えます。なぜならば、撮影者が自ら動いて「距離をつめたり離れたりすることで表現の幅が広がる」ことに気づきやすいレンズだからです。
ズームレンズをつけたカメラで、独学で写真撮影をスタートすると、この「写真は足で撮る」という感覚になかなか気づかないことがあります。場合によっては何十年も気づかないことも‥。だから、初学者は早い段階で単焦点レンズを使うのがおすすめです。
メリット4 単焦点レンズは軽くて小さい
単焦点レンズは、ズームレンズに比べると設計をシンプルにできる分、軽くて小さいです。
↑ここでご紹介したキヤノンの40mmの単焦点レンズなんて、あまりにも薄くて軽いので「パンケーキレンズ」と呼ばれているくらいなんですよ。
疲れている時、重いものを持ちたくない時、体を休めたい時など、モチベーションがあまり高くない時は単焦点レンズで撮影に出かけるのがおすすめです。
(品質にこだわったために重くて大きい単焦点レンズ製品もあります。)
単焦点レンズのデメリット
では、次に単焦点レンズのデメリットについてご紹介します。
デメリット1 足を使わないと単純な写真になる
単焦点レンズは、使い方を理解していないと「足を使わない写真」、つまりどの写真も距離感が一定で、バリエーションの少ない単純な写真ばかりになってしまいます。意図的に省略した写真ならよいのですが、技術力や発想力が乏しいせいで単調な表現となった写真をいい写真とは言えないです。
デメリット2 自由に動けない時には向かない
セミナーや競技場でのスポーツ鑑賞など、座席が指定されていて自由に動けない状況では単焦点レンズは活躍できません。
デメリット3 画質にこだわると値段と大きさが‥
単焦点レンズの中には、こだわりの設計で極限まで画質を高めたレンズも存在しており、こうしたレンズは非常に高価でなおかつ大きく重いものになります。
丁寧に作られた高品質レンズの作り出す描写は確かに息をのむほど美しいです。ただ、撮影や運搬する時、その大きさと重さに耐えられるかどうか‥?実際に使いこなせる人は限られることでしょう。
では次に、単焦点レンズを使ったことがない方が初めての単焦点レンズを選ぶ時にどんなことに気をつけたらよいのかを、お伝えします。
単焦点レンズの選び方1 メーカーとマウントで選ぶ
単焦点レンズを選ぶ基準として、まず考えなくてはいけないのが、カメラメーカーとマウントです。
・自分のカメラメーカー用のレンズ
・自分のカメラのマウントに合っているレンズ
以上の2つの条件を満たしたレンズを買わないと、自分のカメラに取り付けられません。
「マウント」とは、レンズをカメラを取り付ける接続部の規格のことです。
1つのカメラメーカーの中に、複数のマウントシリーズが存在することがあります。例えば、キヤノンの場合は「EFマウント」「RFマウント」「EOS-Mマウント」の3種類のマウントがあります。
メーカーが同じでもマウントが異なるとカメラに取り付けられないので注意です。(異なる2つのマウントをつなぐ役割の『マウントアダプター』を用いれば、接続できます。)
買う前に、メーカーのショールームやカメラ量販店で、実機と動作をチェックできると安心ですね。
さて、メーカーで選ぶ場合にも、次の2種類があります。
選び方1 カメラメーカー純正レンズを選ぶ
いちばん素直な選び方は、カメラメーカー純正の単焦点レンズを選ぶことです。カメラがキヤノンならキヤノンの単焦点レンズ、SONYのカメラならSONYのレンズ、といった選び方です。
メーカー純正レンズは、そのメーカーのカメラと一緒に使った時に、ポテンシャルを最大限に発揮できるように設計されています。面倒なことが嫌いな方や、スムーズさを重要視する方は、メーカー純正のレンズから選ぶのがおすすめです。
選び方2 レンズメーカー製レンズを選ぶ
もうひとつの選び方は「レンズメーカー製のレンズ」から選ぶことです。カメラ用のレンズを作っているのは、カメラメーカーだけではありません。レンズ製造専業のメーカーもあります。
国内企業だとSIGMAやTAMRON、海外企業だとドイツのカールツァイスなど、多くのレンズ専業メーカーが存在します。純正レンズのラインナップにはない個性的なレンズを作っており、人気も上々です。
レンズメーカー製のレンズを選ぶときも、自分のカメラの「マウント」に合ったものを選ぶことが重要です。マウントが一致しないと使えないですから、間違えないようにしましょう。
単焦点レンズの選び方2 焦点距離で選ぶ
単焦点レンズを選ぶ時に迷うポイントが「焦点距離」です。焦点距離の種類が多すぎて、最初はどう選んで良いものか全くわかりません。
レンズを焦点距離で3つに分類して、選びやすくしてみます。
・広角
・標準
・望遠
の3つです。
焦点距離の種類
3つの焦点距離カテゴリー別に単焦点レンズを分類しました。
広角 | 標準 | 望遠 |
16mm | 35mm | 85mm |
20mm | 40mm | 90mm |
24mm | 50mm | 100mm |
28mm | 55mm | 135mm |
60mm | 180mm | |
200mm | ||
300mm | ||
400mm | ||
500mm | ||
600mm |
望遠レンズ
望遠レンズを長さ別に3つに分けて、撮影目的を整理してみました。
◎超望遠単焦点レンズ
400mm、500mm、600mmなどの超望遠レンズは、スポーツ報道や野生動物撮影などで使用されることが多いです。レンズ自体も大きくて長くて重いので、使いこなすには体力も必要。一脚とあわせて使っている方をよく見かけます。値段は一ケタ違ってかなり高額です。
◎望遠単焦点レンズ
180mm、200mm、300mmなどの望遠単焦点レンズは、使い所が難しいですね‥。私にはどう使いこなすのかちょっとよくわかりません。ズームレンズに比べると軽量なので、同じ場所の変化を定点撮影する‥といった目的には、楽に使えて良いと思います。
◎中望遠単焦点レンズ
85mm、90mm、100mm、 135mm ぐらいのレンジにあるレンズは中望遠レンズと呼ばれます。中望遠レンズは人物撮影でよく使われます。顔や人物の歪みが発生せず、美しく撮れるからです。
被写体との距離が離れすぎないので、大きな声を出さなくても声が届きます。人物撮影はコミュニケーションが大事なので、声をかけやすいことは大事です。
標準レンズ
最も癖がなく撮りやすいのが35mm、40mm、45mm、50mm、60mmあたりのレンズです。このあたりのレンズは、目で見えるのとほぼ同じ範囲が切り取れます。このようなレンズを「標準レンズ」と呼びます。
とはいえ標準レンズには35mm〜60mmと幅があります。実際使ってみると、数字以上に差を感じることでしょう。
標準レンズの中でも「50mm」は最も人間の目の範囲に近いと言われている焦点距離です。35mmまで行くと50mmよりは広い範囲が写るので、やや説明的になります。周囲の状況やたくさんの情報を盛り込みたい時には35mmはよいですね。
標準レンズは初心者にも使いやすい焦点距離です。また初心者だけでなくベテラン写真家もよく使います。全ての撮影者に使いやすい写真の基本のレンズなので、標準域のレンズは種類も多いです。
迷ったら、自分が使いやすい大きさや重さで選ぶことをおすすめします。
単焦点レンズの選び方3 大きさ・軽さで選ぶ
メーカーやレンズの焦点距離を決めたら、だいたい買うレンズが定まってきます。しかし、標準域のレンズは使う人が多く、人によって目的や要望に差があります。大きなマーケットなので、焦点距離が同一のレンズを、複数種類も商品化することがあるわけです。
傾向として、高いレンズはレンズ径(レンズの直径)も大きく、このため全体が大きく重くなりがちです。反対に安いレンズはレンズ径が小さくて軽いです。重さや大きさを犠牲にしても明るくて画質の良いレンズを使いたいか、フットワーク軽く撮るために小さいレンズにするか、それは撮影者の目的や撮影スタイル次第ということになります。
でも、せっかく買ったのに、自分の体力や撮影のやり方に合わないと結局使わなくなってしまいます‥。私でしたら、判断に迷った時は体に負担の少ない方を選びます。
単焦点レンズのまとめ
単焦点レンズについて解説いたしました。単焦点レンズは焦点距離が変わらないので、自分で前後に動いて構図に変化をつけねばなりません。ズームレンズを使うより「自分で構図を作る」感覚を磨きやすいレンズです。
一眼レフやミラーレスなどのレンズ交換式カメラを買ったならば、ぜひ単焦点レンズをつけて撮影に出かけてください。最初は難しい‥と感じるかもしれませんが、コツをつかんで自分が動けるようになれば、どんどん撮影が楽しくなってきます。
いろいろと試してみるうちに、自分の好きな画角や焦点距離も徐々につかめてくることでしょう。ぜひいろいろなレンズを試してみて、自分の好みの焦点距離を発見してください。